サイバー空間での大統領選挙戦(1):ソーシャルメディアの台頭とネット世論調査
2013年06月11日付 Jam-e Jam 紙
【同紙1-2面】投票日が近づくにつれサイバー空間上での各候補者の宣伝合戦も白熱してきた。
投票日が近づくにつれ、国内の選挙戦の構図がより鮮明になり、選挙ムードは熱気を帯びてくる。
国営テレビ・ラジオ放送を通じての候補者らの宣伝[テレビ・ラジオでの
政見ドキュメンタリー等を指す]は続いており、もちろん以前から予想されていたように候補者らの
テレビ討論は、他のどの番組よりも選挙戦の熱気を増すものとなった。
国営テレビ・ラジオを通じての候補者らの宣伝がポスターやパンフレットの印刷・配布を含む伝統的な宣伝手法を相当程度まで隅に追いやることになった一方で、候補者らは宣伝のために最大限サイバー空間を利用するようになり、ウェブサイトやブログ、ソーシャルメディアを通じての宣伝が最近盛んになっている。また新聞各紙を含む他のメディアのニュースフィード[更新情報]の主要な部分を、[これらのウェブサイトやブログ、ソーシャルメディアを通じての宣伝が]占めている。
[選挙]宣伝のためのソーシャルメディアの利用は、前回の大統領選挙から一般的になったが、今回の選挙では飛躍的に普及したため、候補者や支持者らもそれらを特に重視するようになった。ソーシャルメディアの一つをざっと覗くだけでも候補者の支持者の間でその宣伝能力がいかに重要性をもつかを理解するには十分である。
■ネット上での優位は現実世界での優位にあらず
この点について政治活動家でメディアでも活動するカーゼム・アンバールロウイー氏は、サイバー空間を利用することによる一候補者の優位は、決して実際の社会での優位に敷衍することはできないと強調し、「多くの人々がインターネットを利用できないような小さな都市や村においてサイバー空間は存在せず、ウェブサイトやサイバー空間はたいてい大都市や大きな町において影響力を持ちうる」と述べた。
さらに、同氏は、ウェブサイトを通じての世論調査について以下のように述べた。
イラン人一人一人が一票ずつ持っており、サイバー空間を利用しない多数の人々がインターネット上の世論調査には参加していないということを考えると、我々はそれら[の結果]について正しい判断をすることはできないのである。
アンバールロウイー氏はインターネット上の世論調査は現実を示しているものではないと強調し、「学術的な手法による世論調査において存在するものは、インターネットの世論調査とは異なるものである」と指摘した。
(本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。)
サイバー空間での大統領選挙戦(2):どのサイトがどの候補者を支持するか?
サイバー空間での大統領選挙戦(3):白熱するソーシャルメディア
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( 翻訳者:8411168 )
( 記事ID:30531 )