公正発展党(AKP)のスポークスマンであるヒュセイン・チェリキ副党首は、党の中央決定執行委員会会議で下された決定を明らかにした。決定によると、兵舎プロジェクトは住民投票にかけられる。
AKPヒュセイン・チェリキ副党首は、兵舎プロジェクトについて想定されている住民投票がイスタンブルの区域内で行われるであろうと述べた。チェリキ副党首は、ゲズィ公園騒動がトルコに与えた損害はというと140兆リラ(約7169兆円)に達すると述べた。
首相であるAKPのレジェプ・タイイプ・エルドアン党首が議長を務めて行われた党中央決定執行委員会の会議が終了した。約5時間続いた 会議ののち会見をおこなったチェリキ副首は、会議でゲズィ公園騒動が論じられたと述べた。ムアンメル・ギュレル内相が[この件に関して]情報を提供したと述べた。チェリキ副党首はこれらの騒動の内的・外的側面、経済的側面が取り上げられたといい、エルドアン首相が以前に兵舎プロジェクトに関してイスタンブルでの住民投票実施を委員会に提案するとのべたことに言及した。
■「中央決定執行委員会は全会一致で住民投票に賛成」
チェリキ副党首は住民投票の件が会議で議題となったと述べ、委員らが全会一致でこの投票に賛成したと述べた。副党首は、住民投票がイスタンブル全域か、もしくはベイオール地区のみで実施されるのかという問いについても明確にした。投票はイスタンブル広域市の市域内で実施されると述べ、投 票がイスタンブルの行政区域内で行われると述べた。
■「平和的なデモ行為は可能だが、他者に迷惑をかけてはならない」
未だ数か所で続いているデモ行為があることに触れたチェリキ副党首は、「平和的なデモ行為は可能だが、ただ他者に迷惑をかけてはならない」という警告をした。チェリキ副党首は、「人びとが我々を支持するのも反発するのも民主的な行動である。しかし民主的道筋と手段をもって法の枠内にある時、と限ってだ」と表現した。
チェリキ副党首は騒動の被害状況についても情報を提供し、291事業所が破壊され、271台の自家用車が焼かれたか解体され、116台の警察車両と41台 の救急車が破壊され、このうち9台の救急車が完全に使用不可能な状態にされ、14か所の党事務所ビルが焼かれたか破壊されたと述べた。副党首は、直接の物理的被害が140兆リラに上ったと述べ、これには観光業への間接的被害のような副次的被害は含まれていないと強調 した。
■「ソーシャルメディアに規制はしない、だが倫理がなくてはならない」
チェリキ党首は、ソーシャルメディアを規制するような考えがないことを、「頭の片隅にさえ浮かびはしなかった」と説明した。しかし、活字メディアや映像メディア同様、ソーシャルメディアにも[踏まえるべき]倫理が無くてはならないと発言した。チェリキ副党首は「だれも、この意味でAKPによる規制を期待しないでください。我々は、規制をなくすことを目指す政党です」と述べ、テレビや新聞でなにか中傷があればこれに罰があるように、ソーシャルメディアでもこれが必 要だと述べた。
「我々がソーシャルメディアに対峙する姿勢を取っていると思わないでください。いたずら電話があるといって電話を規制するようなことは、い ちども考えたことは無い」と続け、この件について実施されている調査に関して、過剰な中傷を行った105のサイトと262の偽ツイッターアカウントが確認されたと述べた。
■スタンディング抗議への意見:節度あるデモでありさえすれば
会見のあと新聞記者らの質問に答えたチェリキ副党首には、「スタンディング」抗議活動についても質問された。同副党首は、 「立つ人でも、歩く人でも、拍手する人でも…どんな種のデモであろうと平和的でありさえすればよい。他の人々に被害を与えなければ、一般生活に悪影響を及 ぼさなければ、交通を阻害しなければよい。民主主義にはこれらのデモが許されている。節度あるデモでありさえすれば。世界にもこの文脈で、我々についてポジティブなメッセージを送ろう」と述べた。
■「米国大使の訪問は以前から計画されていた訪問だ」
ヒュセイン・チェリキ副党首は、フランシス・リチャルドーネ米国大使が今日(19日)AKP本部を訪問し、ヤルチュン・アクドアン顧問と会談したことについて問われると、大使が初めてAKP本部を訪問したのでないことに注意を向けながら、会談がかなり前から調整されていたものであると述べ た。米国とトルコの良好な関係を、エルドアン首相が先月訪米した際のバラク・オバマ大統領との会談を例にして説明し、くわえて、この訪問を不快に感じる 人々がいることも知っていると付け加えた。
チェリキ副党首に対して最後に、タクスィム広場でエルデム・ギュンドゥズによって実行された「スタンディング抗議」は、消極的抗議デモの革命戦略家ジーン・シャープが執筆し、提唱した非暴力抵抗運動の手法の第163項にあたるという主張等も質問された。チェリキ副党首は、「これらの主張を軽視 していない。国際的なメディアの局面、金利ロビーの局面がある。我々は今そちら側に関わっていない。今は火事を消化する努力をしているところだ。この仕事がおわっ た後に、この件について真剣に評価をくだす」と述べた。チェリキ副党首は、CNNインターナショナルが8時間コマーシャルなしでトルコから放送をしたことにも言及した。
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( 翻訳者:吉岡春菜 )
( 記事ID:30582 )