「物議」と「過激」という政治手法の終焉(前篇):次期政権にも地方議会にもアフマディーネジャードの「延長」なし
2013年06月20日付 Mardomsalari 紙
大統領選挙の風刺漫画(mashreqnews.irより)
【同紙1面コラム】第11期大統領選挙は、それが抱えるありとあらゆる複雑さ、および、人々が抱いた多くの希望によって幕を閉じた。そして、イスラーム共和国史に新たな章が書き加えられた。
それは、初めて第4期地方議会選挙と共に開催された選挙であり、ダブル選挙が経験されたのである。
しかし、こうした中で、選挙結果と人々の選挙への伝説的参加[※1]が示したメッセージとともに、アフマディーネジャード政権のこれまでの政治とその手法に対する社会の反応は、考慮と注目に値する。
※訳注1:「伝説(偉業)」は、現体制のプロパガンダにおいて好んで用いられるワードのひとつ[この記事・注部分を参照]。選挙への「伝説的参加」の語は前回・前々回の大統領選挙でも用いられたが、特に、今回の大統領選挙では、ネット上などの選挙宣伝・投票率向上キャンペーン画像にも、「伝説」(「新たなる伝説」の創造)の語が盛んに現れた。
アフマデイーネジャード政権第2期の政治において、すなわち、イスラーム共和国政府第10期目においては、(政策の中身とは関係のないところで)「物議を醸す」政治手法[※2]が極みに達し、周期的に、新たなテーマで、新たな騒動を作り出していた。
※訳注2:これらは例えば、大統領の≪素行の悪さ≫という言葉でも言い表される。また、「言うぞ、言うぞ」の暴露主義としても揶揄される。
これら一連の「物議を醸すこと」や、何らかのムーヴメントを作り出すやり方は、[制裁による]激しい経済的圧迫が、人々の日常生活に影を落としていたさなかに、また、皆がアフマディーネジャード政権に[経済的]混乱の収束と、少なくとも物価の安定を求めている状況において行われてきたものだったが、それでも政権を支える者たちは新たな騒動のドラムを鳴らしていたのである。
おそらく、大統領選挙において注目すべき結果をもたらしたのは、こうした[現政権の]一連の騒ぎや奇異な政治手法だったのだろう。
行政に対するよりリアルな国民の反応は、テヘラン市議会選挙においても見ることが出来る。「友愛の延長」[※3]の名で、選挙戦に 出馬した政権支持者のリストからは、1人として 当選者に名を連ねることが出来なかった。
※訳注3:アフマディーネジャード現大統領は、第1期政権のはじめに、自らを「友愛政権」と呼び、その後も「友愛住宅」や「レザー友愛基金」を創設するなど、「友愛」(mehr)をひとつのキーワードとしてきた。
「友愛の延長」は、第10期(第2期アフマディーネジャード)大統領選の際の彼の選挙対策本部の名称であった。その後は、同大統領支持者らのグループを指す名称として引き継がれ、同時に、従来の大統領支持派から「反マシャーイー派」を切り離した、大統領の「純粋な」支持者らのグループとして機能するようになったともされる。
このようにして、アフマディーネジャード政権の「延長」は終焉を迎えるのだ。
もはや、彼の「延長」[アフマディーネジャードの政治的影響力や指針を保持した勢力]は、次期政権にも、新地方議会にも、命脈を残してはいないのである。
つづきを読む
関連記事(「敗北は誰のせい?:原理主義者たちの大統領選」)
原文をPDFファイルで見る
( 翻訳者:8410105 )
( 記事ID:30720 )