ビトリスやアフラトの歴史の証拠を危険にさらす盗掘者らが、2007年から今日までに15の盗掘を行っていたことが判明した。考古学調査の続いているセルジューク朝時代の墓地でも、墓棺が荒らされた。墓地への警備を増強するため、県は、墓地の周辺に監視カメラMOBESEを設置することにした。
アナトリアにおけるトルコ人の存在の最初の痕跡をとどめる場所であるビトリスとアフラトの歴史遺産が、盗掘者のせいで危険にさらされている。財宝探しのために歴史的建物や作品を破壊する盗掘者らによる被害は、地域の文化遺産の脅威となっている。先日、荒らされたクルブカル地区のハジュ・ハサン、ホジャ・シルヴァーニーの墓廟の土も乾かないうちに、盗掘者らは、こんどはアフラトにあるセルジューク朝期の墓地を荒らした。200ドニュムの広さのある墓地の警備体制は、不十分だ。考古学的発掘の続いている墓地での盗掘は、発掘作業者らが現場を後にしたあとに起きた。ある考古学発掘者によると、「我々が発掘している場所に、あとからきて、そこを破壊している。我々は望んでもいないのに、彼らの仕事の手助けをしていることになっている」という。盗掘者の多くは、県外からやってきて、墓を掘るだけでなく、墓棺の多くを破壊した。ビトリスやアフラトでの盗掘事件は、セルジューク朝の墓地にはとどまらない。2007年以来、県内で警察の取り調べが行われた事件だけで15件に上る。このなかには、裁判が結審したものもある。
■盗掘者らのやり方は、映画顔負け
盗掘者の多くは県外からのものだといういうフェフミ・アライドゥン・ビトリス市長が語る内容は、イェシルチャム映画(トルコの大衆映画)顔負けだ。「市場で、物売りにまじって、回りに聞こえるように(宝の埋まっている場所を示した)地図を売るとか買うとかいう。聞いたもののなかに信じるものがいて、その地図に金を払っている。先日も、警官が様子をおかしい3人の人物をみつけた。連中がアダナからきたことをつきとめ、すぐにアダナ警察に連絡した。返事にはびっくりさせられた。「連中は、3人組組織だ」と。3人ともそこにいるなら、何かの獲物をねらっているのだというのだ。」
盗掘者に一番、困っているのは、ビトリス県のヒュスニュ・ウシュクギョル文化観光長だ。盗掘者は、ビトリスだけでなく、トルコ中で問題だという。「大事なことは、適切な対応をとることだ。そして、人々を啓蒙することだ」と述べる。
■セルジューク朝墓地に監視カメラ設置へ
セルジューク朝墓地での警備体制を増強するための作業が続いている。墓地の周囲が鉄条網で囲まれ、警備員の数も増やされる。墓地の周囲には監視カメラと、照明施設の設置のための作業がつづいている。それらが終われば、水も漏らさぬ監視体制ができるとのべるヒュスニュ・ウシュクギョル文化観光長は、これらの対策ももちろん大事だが、本来の問題は教育だという。ウシュクギョル氏によると、文化財保護意識を高め、盗掘者の甘言に騙されないようにするよう人々の教育が必要だという。セルジューク朝墓地は、アナトリアだけでなく、全イスラム世界のなかでも最大級の墓地として知られている。ここには、12世紀から16世紀の間の、アイユーブ朝、イルハン朝、オスマン朝に属する様々な種類の墓石が存在している。
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( 翻訳者:トルコ語メディア翻訳班 )
( 記事ID:30767 )