エルドアン首相はゲズィ事件で起きた、市民への刀での暴行について語り、「刀を持った青年など見たくない」と大学生を批判。大学に警備員を配置することを発表した。
レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、イスタンブルのタリムハーネで、ある店主がゲズィ公園運動の参加者たちを刀で攻撃した事件を批判したが、この批判は刀を持った店主ではなく大学生に向けられたものだった。
エルドアン首相は「暴力を用いてはいけない。暴力を用いた瞬間、暴力を受けることになるのだ。火炎瓶や刀などを持って動き回る若者を見たくない」と述べた。
エルドアン首相は大学に民間の警備員を置くのをやめ、代わりに「国家所属の警備隊」を配備するための準備をすると再度述べた。
空港の開業式のためビンギョルにいたエルドアン首相は、イフタール(断食月中の日没後の食事)もビンギョルで行った。エルドアン首相はイフタールで演説し、ゲズィ公園デモに触れて、運動への反対を語った。エルドアン首相は「あらゆる考えに敬意を払っているが、暴力には断固反対だ。今から言うことを全ての人に知ってほしい。若者は自分の考えや思想を持っているのなら、その反対の考えも知らなければならない。信念を持っているのなら、反対の信念にも敬意を払わなければならない。しかし暴力を持ち込んではいけない。暴力を持ち込んだ瞬間、暴力を受けることになるのだ。このことを全ての人に知ってほしい」と述べた。
■刀を持った若者など見たくない
エルドアン首相は演説の途中、最近イスタンブルで刀を持った店主がゲズィ公園運動の参加者たちに攻撃した事件についても、「刀」という言葉を使いながら、刀を持った店主ではなく、大学生の若者を批判した。エルドアン首相が運動に参加した大学生の若者に対して述べた「刀」批判は次の通りだ。
■大学に警官を配備する
「そのためにも、国立大学の警備員として早急に民間の警備員ではなく、国家に属する警備隊を配備する。大学やその周辺で様々な動きが出ているのを見ると、これに対する責任を感じるからだ。私たちはどの学生も命の危険にさらすわけにはいかない、そんなことはできない。火炎瓶や刀などを持って動き回る若者を見たくない。皆に自分の知識、考えを持ち、パソコンを携え行動してほしい。何をするにもこれにより行動してほしい。他人に暴力を振るう権利は誰にもないのだ。トルコでここ最近の出来事を引き起こした人たちに問いたい。『彼らには何が足りなかったのか。何に基づいてこのような行動に出たのか。何が無かったというのか。』もしもそれが大学生の若者ならば、彼らはつねに「政権は無駄遣いをしている、こうだ、ああだ」と反発していた。
それで、無駄遣いはあるのか。いや、ない。私たちが政権についた時、彼らは45リラの奨学金を受けていたが、今では280リラの奨学金を受けている。我が政権は200リラの生活費と合わせて全ての学生に480リラの支援をしているのだ。さらに、大学院生には590リラの支援をしている。政権はこのような取組みをしているのに、皆さんはこれを違う見方で見ている。官民問わず全てをめちゃくちゃにする考えだ。このような考えが文明的であるはずがない。」
本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る
( 翻訳者:南澤沙織 )
( 記事ID:30789 )