ヴェイセル・カラニーの第59代子孫であり、ムハンマド聖衣の保持者一族であるバルシュ・サミルさんは、彼の祖父が貧しかった時代に彼に[引き換えに]「海峡ある邸宅」の提案[を受けたこと]について話した。サミルさんは「提案の際に、『私は所有者ではない、ただ守っているだけである』と祖父がいったそうだ」と述べた。
バルシュ・サミルさんは、物心ついて以来初めてこの辺りにこれほど多くの興味を引かれたとし、こう続けた。「まずラマザンおめでとうございます。かなり混雑しています。私たちはこれを初日に気づきました。初日にとても混雑していた。今日は列が脇路まで延びていた。長年こういうのは見たことがない。実のところ人びとが精神的なものに必要性を感じているといえましょう。駆けつけて預言者の遺物を目にしようと来ている。ありがたいことです。」
■所有者ではない、ただ守っている。委ねられたのだから
サミルさんは、聖衣を守ることが大きな務めで名誉に感じているとし、「この気持ちをうまく表現できません。大変名誉ある務めで、大きな責任があります。所有者ではなく、ただ守っている。委ねられたのだから。とても素敵な気持ちだ、もちろん。特にこれほどの人びとが寄せる関心は、幸せな気分にさせてくれている。今年は今までよりも一層混雑している。私たちもできる限り多くの人びとを受け入れられるようにしたい。ラマザンではさらに増えます。その準備があり、興奮している。素敵な興奮だし、快い疲れだ。ありがとう。今月は一層多くなるでしょう」と語った。
■祖父は「ただ守っているだけ」と語った
サミルさんは、聖衣のかわりに祖父が海峡にある邸宅の提案を受けたとの質問に、「当時、祖父は三つの仕事を掛け持ちしていたそうです。家族を養うのに金銭的にひどく苦労していたそうです。にもかかわらず、笑い過ごすような提案だったのです。人びとが提案した際に、祖父が『私は所有者ではない、ただ守っているだけである』と言ったとのことです」と答えた。その際、サミルさん自身こうした提案があったのかとの質問を受けて、「まったくない」と返答した。
■「聖衣を守っているのをひけらかすのはあまり好きではない」
「聖衣を守っているのをひけらかすのはあまり好きではない」と言葉を続けたサミルさんは、「このことは友人たちも大抵は知りません。ひけらかしはあまり好きではないのです。もちろん[聖衣]の影響力があり、みんな知っています。ですが素敵な気持ちを携えて、音楽に携わり、聖衣を守り、食べていくのに機械工をしているのは興味深いでしょう」と述べた。
共存共栄のメッセージを伝えたサミルさんは、「ムスリムがムスリムのことを傷つけず、互いに殺しもしない、平和に満ちたすばらしいラマザンを願っています。皆さんをお持ちしています」と締めくくった。
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( 翻訳者:池田桃香 )
( 記事ID:30825 )