シリア:民主連合党民兵がサラフィー主義武装集団をラアス・アイン市から放逐
2013年07月18日付 al-Hayat 紙
■クルド人戦闘員が「イスラーム国」と「ヌスラ戦線」をラアス・アイン市から放逐
■民主連合党党首が本紙に「地方行政」構想の存在を明かす
2013年7月18日『ハヤート』
【ロンドン:イブラーヒーム・フマイディー】
民主連合党人民保護部隊が、イラク・シャーム・イスラーム国およびヌスラ戦線との交戦の末、対トルコ国境の通行所を含むラアス・アル=アイン市を制圧した。一方、民主連合党のサーリフ・ムスリム党首は「クルド人が多数居住する地域の問題を運営するため、選挙で選ばれた地方行政機関を設置し、シリアでの事態収拾をめざす」計画がクルド人指導者の間で協議されていることを本紙に対して明らかにした。
ミンミン保護部隊と反体制武装集団は、反体制政治家らの仲介により、今年初め、ラアス・アイン市での衝突を収拾することで合意に達しており、これにより両者の戦闘員が(市内から)撤退、合同地元評議会が設置されていた。しかしこの合意は時間の経過とともに「風化した合意」となっていた。シリア人権監視団が昨日、電子メールで伝えたところによると、人民保護部隊は「イスラーム国、ヌスラ戦線の戦闘員などといった過激な武装集団との激しい戦闘」の末、ラアス・アイン市を「ほぼ完全に」制圧「戦闘員らは周辺地域に撤退した」という。
ムスリム党首が本紙に対して述べたところによると、クルド人戦闘員はラアス・アイン市とトルコを結ぶ国境通過所も交戦の末に制圧し「人民保護部隊の戦闘員は、過激なイスラーム主義武装集団に他の地域に逃走する余地を与え、トルコ領内で戦闘が起きることを回避した」。複数のクルド筋によると、昨日(17日)市内のさまざまな地区で続いた「戦闘で人民保護部隊の戦闘員多数も死亡した」。シリア人権監視団やクルド人活動家らは、ラアス・アイン市住民が、断食月のヌスラ戦線とイスラーム国の振る舞いに憤慨していたと述べた。
クルド人指導者らは、民主連合運動や西クルディスタン人民議会によって提案された地方行政、ないしは自治組織の設置提案の一環としてラアス・アイン市制圧を位置づけ、アレッポ北部のアフリーン市をクルド人戦闘員が制圧することで、(トルコから)アレッポ市にいたろうとする反体制勢力の進路が遮断されると考えている。こうしたなか、民主連合党党首は、同党が2007年に(自治組織設置)計画を提起し、その後、民主的変革国民調整委員会とその内容について協議を行ってきたことを明らかにした。同案は、経済、救済・支援、地方自治、通商などのサービスを市民に提供するため地方自治機関の設置することを定めており、各地域で代表者選挙を行い、クルド最高委員会メンバー(うち10名は任命)が選出されるという。またムスリム党首は、数週間前に、スライマーニーヤ(イラク)でクルド民族主義政党の幹部らと同案について協議し、アルビール訪問時に幹部らと改めて協議すると付言した。
(後略)
シリア情勢に関しては「
シリア・アラブの春(シリア革命2011)顛末記:シリア情勢(2011年~)」も参照ください。
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( 翻訳者:青山弘之 )
( 記事ID:30856 )