人道支援機関:国際的対応、シリア難民危機の規模拡大に追いつかず
2013年08月01日付 al-Hayat 紙

■人道機関:国際的対応、シリア難民危機の規模拡大に追いつかず

【ベイルート:本紙】

140万人以上(シリア難民合計数の80%)の難民が、テントや一時的なシェルター、または満杯状態の住居や賃料の高い住宅に暮らしているという状況下で、多くの国際人道機関はシリア難民危機の規模拡大に国際的対応が追いついていないことで、増大する懸念を表明した。

「CARE」「Oxfam」「Danish Refugee Council」「国際障がい者機関」「World Vision International」といった組織は、声明において以下のように述べた。「シリア周辺国は膨大な数の難民たちのニーズにを満たすため、より深刻な困窮状態に陥っている。レバノンにおける難民数はレバノンの人口の4分の1に達し、少なくとも1,200カ所に広がっている。ヨルダンへ逃げた50万人の難民のうち、ザアタリー・キャンプでは13万1,000人しか暮らしていない。多くの難民たち、特に地域の都市部の外に散らばる難民は、彼らが利用できる支援サービスに関する情報を得る事が出来ず、激しく苦悩している」

また「この状況により、支援機関は、エスカレートするこの危機に対処するためのいっそう大規模な対応を国際社会に向けて要求するに至った」と述べた。

「Oxfam」のシリア危機対応の責任者であるコレット・ヴェローナ氏は、この状況をこのように記述した。「難民たちは、見捨てられた地域の空になったショッピング・センターやガレージ、または臨時のテントで暮らしている。また、もしあったとしても必要以下のものしか食べることができず、彼らの多くが破綻状態にある。そして先の見えない中で騒乱のいかなる解決法も欠落する中で、問題の悪化のみが進行している。すでに国連は、この危機を、1994年ルワンダにおける民族掃討の騒乱以来の最大規模の難民危機であると描写している。こういったことから、われわれは、いかなる所にいる難民に対しても支援が届くことを確保するべく動くことになったのです」

この段階で、支援を緊急に必要とするシリア国内のシリア人は約700万人となった。

声明は以下のように述べた。「紛争から避難する人々の数が膨大であるため、難民たちはどのようなものであろうとも、シェルターを求めてあえぐようになって来ている。彼らの多くは、着の身着のままで到着するが、食料や安全な飲料水、そして彼らが身を寄せることができる軒下を得るためのいかなる支援も著しく不足している。健康のケアについては、すでに多くの者のところで彼らの財政能力を越える『ぜいたく』となり始めた。また負傷に苦しむ者は医療サービスの欠如の結果、その状態は著しく悪化している。高齢者、障がい者、慢性的疾患を抱える人々のような弱者の集団も同様に、基本的な健康サービスを得ていない。国際障がい者機関のような機関が、彼らのためにサービスを提供できるかどうかが重要な点である」



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:菊田麻矢 )
( 記事ID:31034 )