エジプト:アフリカ連合代表使節団がムルスィー前大統領と面会
2013年08月01日付 Al-Ahram 紙
■アフリカ連合代表使節団が解任された大統領に面会し、暴力の停止を求める
■ムルスィー氏「支持者とは連絡を取っていないし、状況に影響を与えることは不可能」
2013年8月1日『アハラーム』
【マルワ・タウフィーク、MENA】
アフリカ連合から委任され、現在エジプトを訪れているアフリカ賢人委員会の代表使節が解任されたムハンマド・ムルスィー前大統領を訪問した。同代表使節団はマリのウマル・カウナーリー前大統領を団長としており、面会は約1時間にわたった。
使節団の一員であるフェスヌス前ボツワナ大統領は「われわれは(ムルスィー)前大統領に、彼の支持者たちに対し暴力放棄を呼びかけるよう要請した」と明らかにした。そして「代表使節団は今回の危機の平和的解決に向けて努力しており、そしてその平和的解決とはすべての人々の責任である」と述べた。
さらに同氏は「代表使節団はムルスィー氏に対し、平和の実現と暴力の抑制に貢献しなくてはならないと強調した」と明らかにした。また「われわれは平和的解決の実現のために、あらゆる当事者たちとの対話を行う手助けをする」とも述べた。
これに対しムルスィー氏は「私が現状に対してできることはなにもない。なぜなら、私は自身の支持者たちに多くの接触を持っていないし、メディアとも接触を持っていないからだ。しかしながら、使節団はエジプトでの平和実現のため、自分が支持者を説得する上でできる限りのことをするよう自分に圧力をかけた」と返答した。ムルスィー氏は重ねて「私はすでに権力から追放された」と述べ、不当である、という彼の心境を明らかにした。
またウマル・カウナーリー使節団団長は次のように述べた。「われわれに面会した人々は、自分に対し6月30日に起きたことは民衆の革命であり、軍事クーデターではないと強調した。また彼らは、軍の介入は権力を掌握するためではなく、内戦勃発を防ぐためであると強調した」
また同氏は、次のように指摘した。「アフリカ連合がエジプトの加盟資格の停止を決定したことは、エジプトのみに向けたものではなく、2000年のロメ宣言に基づいて行ったものだ。同宣言は10年以上に渡ってアフリカ大陸のいたるところで見られた体制転覆や憲法に基づかない政変を制限する目的で発表され、アフリカ連合は前回エジプトの支援によってこの措置を中央アフリカ共和国に対して行った」
またワシントンでは、共和党のリンゼイ・グラハム上院議員は次のように述べた。「オバマ大統領は私とジョン・マケイン上院議員に来週エジプトを訪問するよう要請した。その目的は新たな選挙の実施を推進するよう全当事者に要請することと、文民政権への移行の必要性を明らかにすることである。そして、軍が全当事者を包括する民主主義的なアプローチに移行することを可能にすることである」
本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
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( 翻訳者:今井花南 )
( 記事ID:31037 )