どうなる、各党のイスタンブル市長候補
2013年08月03日付 Radikal 紙


イスタンブル広域市長選挙に向け、世論は誰が候補者になるのか見定め始めている。公的に指名を得たものはまだいないが、たくさんの名前が飛び交っている。最有力候補はまたも現職のカーディル・トプバシュだ。しかし、ムスタファ・サルギュル氏がCHP(共和人民党)から候補者になるといわれており、選挙の波乱が予想される。他にもスッル・スュレイヤ・オンデル氏といった様々な名前が候補として挙がっている。

■AKP:トプバシュ氏が最有力

AKP(公正発展党)では党規で定める三期条項にも押され、交通通信大臣のビナリ・ユルドゥルム氏がイスタンブル選出候補になると長い間言われてきた。実際、彼の名は以前イズミル市長選でも候補に挙がったが、ユルドゥルム氏はエルトゥールル・ギュナイ文化観光大臣(当時)を指名した。このことよってユルドゥルム氏はイスタンブルを狙っているのだろうと言われるようになった。特にゲズィ公園事件の際に、トプバシュ氏が対応に遅れをとったことは、ユルドゥルム氏が候補者としてより有力になり、擁立が決定視されるきっかけとなった。他にも、イスタンブルでの再建計画に関連して、トプバシュ市長とエルドアン・バイラクタル環境都市整備省大臣とが様々な点において意見が食い違っていること、再建計画に関する市議会の決定にも拘わらず、バイラクタル氏が計画を変更しこの決定を破棄したことが、政府側とトプバシュ市長の間にある溝をより深めたと言われる。アーオール氏の1453プロジェクトと、市が緑地エリアと定めたバクルキョイの土地を環境都市整備省の新計画の変更により再建地としたことで、衝突は最大レベルにまで引き上がった。この衝突の影響で、トプバシュ市長は候補とされないのではないかとの認識が強まったが、トプバシュ市長が先週行った発表によってこの認識は崩れ去った。市長はラディカル紙に対し、イスタンブルに50万平方メートルの公園を建設すると発表、エルドアン首相もこのプロジェクトを支持した。これは、トプバシュ市長が再び候補者としての重要性を得た印だと言われている。本紙は選挙についてのインタビューを申し込んだが、トプバシュ市長は候補については以前話したことと変わりなく、そのプロセスに関してはまだ話せないことを広報担当者を通して答えた。


■CHP:サルギュル氏とテキン氏の争い

選挙の有力候補を擁するCHPも懸命な努力を続けている。ギュルセル・テキンの名前が候補から外れたわけではない。しかしサルギュル氏がCHPから候補になることも一年以上前から噂されている。CHPは数回に渡り世論を通しサルギュル氏に呼びかけさえしている。しかしサルギュル氏はこの呼びかけに対しはっきりした返答をしていない。2005年1月にデニズ・バイカルの対立候補となり、後に党から追われたサルギュル氏は現在まで党員ですらない。再び党に復帰するため党議会の決定が必要なサルギュル氏について、ギュルセル・テキンCHP副党首は厳しい見解を述べた。テキン副党首は「彼に何度も呼びかけたのに返答すらしない。私はこれに怒っているのです。世論もよりはっきりと知るべきです。」と述べた。テキン氏のこの抗議は「テキンは自分が候補になりたいのだ」と解釈されている。これについて問いかけたところ、テキン氏は次のように答えた。「そのような議論は、政権に利するための工作でしかありません。CHP内の議題においては、ギュルセルもアフメトもメフメトも関係ありません。私に職が与えられたならばそれを全うしましょう。他の方が任命されたならば私は最後まで手伝います。」

■MHP:未だ何の兆しもなし

MHP(民族主義者行動党)はイスタンブルおいて沈黙を守っている。2009年の地方選挙でCHPのケマル・クルチダルオール氏が候補として挙がって以来、選挙はAKPとCHP間で行われていると認識されるようになり、MHPは都市プランナーのアフメト・トゥルグト氏といった世論が知らないような政界外の人物を候補に挙げた。候補者たちが各地で選挙活動を行うと、「クルチダルオールが来た、トプバシュが来た」と言われたが、アフメト・トゥルグト氏の行った場所では「MHPの候補者が来た」といわれる始末だった。前回の選挙でまったく存在感を示すことのできなかったMHPが今回の選挙のためにどのような策を展開するかは現在も謎である。

■BDP:スッル氏のみ

選挙のもうひとつの側面は、BDP(平和民主党)のイスタンブル選出国会議員スッル・スュレイヤ・オンデル氏だ。特にゲズィ公園事件での際取った態度は、オンデル氏の名前が舞台裏で真剣に議論される原因となった。オンデル氏が候補になることでCHPの票が割れるという見解が優勢だ。また、HDK(人民民主会議)がトルコの一政党になるための歩みにおいて、オンデル氏がこれに協力するだろうと言われている。オンデル氏の立候補に関する見解は明白だ。「私の名前が挙がっていることは事実です。バイラムの後この件は徹底的に話され、議論され、決定されるでしょう。どんな決定が出ようと、それに従う覚悟です。」

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( 翻訳者:酒井 瞬 )
( 記事ID:31071 )