月収1,000リラ未満のクレジットカード利用者の限度額を下げるという銀行監視調整機構（BDDK）の計画に、（該当する）450万人が注目している。現段階では、この変更によって突然「限度額を超過」してしまう未払金をいかに清算するか未定である。

タイイプ・エルドアン首相が約1カ月前にクレジットカードの利用について警告を発した後、銀行監視調整機構（BDDK）は債務の増加防止を目的として新しい「限度額」案を作成した。その背後にあるもう一つの意図は、増加しつづける消費者クレジットカード（の発行）を抑えることである。銀行監視調整機構の草案は、月収1,000リラ未満のクレジットカード利用者の限度額を1,000リラに定めている。

新しい規定の作成にあたっては、銀行の意見も求められている。この規定案によりクレジットカードの分割払いが大幅に制限されることとなる。また、月収1,000TL未満の最低賃金労働者が影響を受ける。
現在トルコで使用されているクレジットカードの数は5,650万枚である。関係者によると、カード所有者の約8％が、月収1,000TL未満である。したがって、銀行監視調整機構の新しい規定により、450万人が影響を受ける。
トルコにおいて月収1,000TL未満の人々の大多数は、最低賃金で働く労働者と定年退職者によって占められている。関係者によると、月収1,000TL 以下のクレジットカード利用者の中には他に主婦と学生も含まれている。

■分割払いにブレーキ
現在、トルコにおいてカード所持者はクレジットカードで月収の2倍の相当額を支払うことができる。新しい規定が施行されると、それ以前の規定は無効となり、月収1,000TL未満の者はその収入の範囲内においてのみ月々のキャッシングを行なうことができる。
銀行監視調整機構の新しい規定によって、カードの利用限度額が1,500TL未満に定められている利用者については、最低（債務）返済総額が（債務の）25%から30%に引き上げられる。1,500～20,000TLの間に限度額が設定されている利用者に関しては、最低（債務）返済総額が、その期間の債務の30%から35%に引き上げられる。
銀行監視調査機構の新しい規定が定めるクレジットカードの利用限度は、銀行によるクレジットカードの奨励と、消費者の分割払いに打撃を与えることが見込まれる。

■月収をどのように計算するか？
銀行監視調整機構の新しい規定案において最も議論を呼んでいるのが、収入である。銀行関係者は、クレジットカード利用者の60%が自由業従事者であるとし、月収をどのように計算するか分からないと述べた。同銀行職員は、クレジットカード利用者の大半が家具商、美容師、漁師、レストラン経営者といった自由業従事者であるとし、「こうした人々の月収は不確定である。収入が多い時期もあれば、利益の無いときもある。こうした人々に収入を基準に限度額を定めることは難しい。分割払いの多いトルコでこのようなルールは相応しくない」と語った。トルコはヨーロッパにおいてイギリスに次いでクレジットカードの分割払いが多い国として知られている。

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（ 翻訳者:篁日向子 ）
（ 記事ID:31221 )