オスマン朝時代に暮らしていた兵士とウラマーの墓石がイギリスのオークションで販売される予定だ。
ロンドンにあるハイ・ロード・オークションズという名前のオークション会社によって本日(20日)行われる予定のオークションで、17世紀から18世紀の、装飾墓石が300ユーロと600ユーロから始まる値段で売り出しにかけられる。
イギリスとポルトガルで開催されるオークションに関して努力を続けるセリム・カルチャー・イニシアチブの設立者であるアリ・セリム氏は、これらの墓石がイスタンブルの最古の墓地であるカラジャアフメト墓地から国外に持ち出されるのが確認されたと語った。イギリスのロンドン西部地域で活動するハイ・ロード・オークションズというオークション会社は売り出しにかけられる予定の歴史的な作品をwww.highroadauctions.co.ukのサイトで公開した。
このサイトで公表された墓石の一つは17世紀のムスタファ・シェリフの娘ハティジェ・ハヌムのもので、もう一つは17世紀に生きたアフメト・ライフ・ベイェフェンディのもの。歴史的墓石がウスキュダルにあるカラジャフメト霊廟から国外に持ち出されたことが明らかになっている。写真に添えられた説明では、この石は8世紀のオスマン朝時代の墓石であり、その表面に彫刻の碑文と装飾があるという。
アリ・セリム氏はイギリスにいる弁護士らとともにこのオークションの中止に努めているという。同氏は「これを、私たちがやっているのです。本来は国が行う必要のあることです。この件では、まずは自然保護法で変更を行い、オスマン朝時代の墓石の販売を禁固刑にするべきなのです」と言う。セリム氏はオスマン朝時代の墓石が商売の対象となっていることを指摘し、「先祖の墓石でお金を稼ぐことは倫理に反する」という表現した。
同氏はまた「考古学的作品が国外に持ち出されることは法によって禁止されている。しかしオスマン朝時代の墓石は残念ながらこの範囲の外に置かれている。必要な法の整備が急ぎ行われるべきだ」と述べた。歴史的墓石の専門家ネジデト・イシュリ氏も精神的、芸術的価値をもったこれら墓石に対し、十分な関心が示されていないと指摘。同氏は密輸業者らが長年墓地で盗難を続けていたことを述べ、「国による墓石のカタログ化、目録化が必要だ。これらが作成されないために好き放題盗まれるのだ」と語った。
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( 翻訳者:星井なつき )
( 記事ID:31224 )