元サッカー・ユース代表の遺体、井戸で見つかる:誘拐されて殺害
2013年08月20日付 Jam-e Jam 紙
【ジャーメ・ジャム紙1面】2週間前に誘拐された若いサッカー選手の遺体が、テヘラン・キャフリーザク地区にある井戸の中で見つかった。
イラン学生通信の報道によると、今年のモルダード月15日〔2013年8月6日〕、サッカークラブ「サイパ」のユース選手「オミード・ダルバンディー」さんの家族が警察署を訪れ、息子が行方不明になっていると訴え出た。
オミードさんの行方を得るための捜査が始まると、数時間後に、何者かから家族の元に息子の身代金として1億トマーン〔約320万円〕を要求する電話があった。これにより、捜査は新たな段階に入った。
捜査官らがオミードさんが拘束されている場所に関する手がかりを求めていたところ、モルダード月19日〔8月10日〕、彼の遺体がキャフリーザク地区にある井戸の中で発見された。
遺体は、死因を特定するために法医学に送られた。殺人事件発生を受け、現在犯人らの特定に向けた捜査が殺人特別局第10課で行われているところである。
■ 父親が語るオミードさん殺害の詳細
サイパや軍陸上部隊のサッカー選手として活躍したオミードさんの父レザー・ダルバンディーさんは、息子の殺害について次のように語った。「1週間前、息子は朝10時に、妹〔あるいは姉〕を迎えるために、〔車で〕家を出ました。その途上で3人の人物によって誘拐され、その1時間後、私たちの元に連絡がありました。身代金として1億トマーンを要求されました。子供を誘拐した、明日口座番号を伝えるので、そこに金を振り込め、振込があり次第、息子を解放する、とのことでした」。
レザーさんはさらに、次のように続けた。
誘拐犯の一人が、翌朝に私のところに電話をかけてきました。息子を返してほしければ、1千万トマーンを口座に振り込め、とのことでした。1千万トマーンを何とか苦労して工面し、口座に振り込みました。しかし息子は解放されませんでした。その翌日、身代金として1億トマーンの要求がありました。彼らに、最低でも息子と話させてほしいと言ったところ、一度だけ、息子の声が聞こえてきました。金は渡すな、と言っていました。
レザーさんはさらに続けた。
こうした連絡が複数回続き、私はそのたびに、彼らに息子が生きているのかどうか確かめさせてほしいと要求しました。しかし彼らは、次の日声を聞かせてやる、あるいは明後日話しをさせてやる、と言って、はぐらかされました。彼らは、もし金を口座に振り込まなければ、息子の首を切り落とす、と言ってきました。最終的に、息子の遺体がアミーンアーバード近郊の井戸の中から見つかりました。警察が言うには、犯人らは最初の日に息子を殺害したとのことでした。
レザーさんはその上で、「警察が本件の捜査を行っています。警察によれば、誘拐犯らはアフガニスタンのヘラートから私のところに連絡しているとのことでした」と述べた。
レザーさんはサッカー選手だった息子の経歴について、「私たちがアルダビールにいた頃、オミードはユース代表チームでプレーをしていました。私たちがテヘランに移り住んだのは、そのためです。息子はその後、サッカークラブ「パース」のユースチームでプレーをしました。さらにその後、「サイパ」でプレーし、最近は兵役のために軍の陸上部隊でプレーをしていました」と述べた。
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( 翻訳者:白糸台国際問題研究所 )
( 記事ID:31246 )