■ベン・エリエゼル：アサドはオバマ大統領と国際社会が定めた最後の一線を越えた

【エルサレム：アーマール・シハーダ】

イスラエル指導部はシリアのバッシャール・アサド大統領による化学兵器使用に関する報告の直後、同大統領への挑発を強めた。この時点で、イスラエルの専門家は写真や被災者の証言から化学兵器使用は確証できないとした。

しかし諜報機関の推測を理由に、治安指導部および政治家たちは、このような化学兵器がレバノンのヒズブッラーの手に渡るのを防止するために必要な措置をとることを呼び掛けた。

モシェ・ヤーロン国防相は、シリア政権による化学兵器の使用が初めてのことではないと強調しながら、シリア、レバノン、エジプト情勢を密接に追求すると発表した。同氏はまたシリア政権がその存続を賭けた闘争に没頭しているとし、この闘争はアサド政権が崩壊しない限り終止することがないだろうとの見方を示した。

ヤーロン国防相は、シリア政権がいまだに最後の一線を越えていないため、イスラエルは中立的な立場を貫くと示した。これは、労働党幹部ベンヤミン・ベン・エリエゼルの意見とは正反対である。同氏はバラク・オバマ米大統領によって引かれた最後の一線をシリア政権が越えたとし、イスラエルはヒズブッラーやアル=カーイダその他テロ集団の手に化学兵器が渡るのを阻止するために用心深く監視を行うべきだと述べた。

ベン・エリエゼルは国際社会の姿勢が無気力であることを指摘し「国際社会は、イスラエルがとるいかなる措置に対しても否定的な声明を発する一方で、シリアで起こっていることを食い止めるためには何もしようとしない」と述べた。同様の立場から、ユバール・シュタイニッツ戦略・諜報担当相は、入手した情報から判断して化学兵器使用は確認されているにもかかわらず、世界の国々はシリアで続く虐殺をとめるために指一本動かさないと述べた。また同氏は、国連調査官のシリアでの任務を「喜劇的」だとし「国連は半年前、あるいは1年前に起こった事件を調査しており、昨日起こった事件に言及することはない。これは愚の骨頂である」と述べた。

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本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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（ 翻訳者:谷山ひかる ）
（ 記事ID:31248 )