エジプト:大イマームに対するエルドアンの声明への広範な非難
2013年08月28日付 Al-Ahram 紙
アズハル総長(右)とエルドアン・トルコ首相【注】
■大イマームに対するエルドアンの声明への広範な非難
【本紙:ムハンマド・アンズ、アマーニー・マージド、イサーム・ハーシム、シャーディア・ユースフ】
エルドアン・トルコ首相が(アズハルは軍事クーデターを支援していると、)アズハル総長であるアフマド・タイイブ博士を中傷するような声明を出したことに対し、エジプト政府、諸政治勢力、政党、および国民的、宗教的な著名人が激しく抗議した。
複数の勢力、政党、および国民的、宗教的な著名人が政府に対し、大イマームに対するエルドアンの中傷に即座の、かつ決然とした対応をするよう要求した。さらに、外交関係の即時の断絶、トルコ製品の不買運動の展開、トルコからの輸入の停止、エジプトにおけるトルコの投資への処罰を通し、トルコとの関係を政治的、経済的、かつ通商においてもより硬化させるよう求めた。
革命推進派の諸勢力および「反抗(タマッルド)」運動は、トルコ政府に対する国民的な抗議運動を行うことを明らかにした。トルコから輸入された製品に対する国民的な不買運動から始めるという。
諸勢力、政党、および国民的、宗教的な著名人は、エルドアン首相に関し、政治的自殺行為を行っていると語り、イスラム諸国及びアラブ諸国の人々にエルドアンに対して決然とした抗議を行うよう求めた。アズハル総長はすべてのイスラム教徒にとって、偉大なイスラムの支柱なのであるからと。
エジプト政府は、ビブラーウィー首相が代表する形で、アズハル総長であるアフマド・タイイブ博士についてのエルドアン・トルコ首相の声明を非難した。ビブラーウィー首相は、世界最大のイスラム機関の長として、アズハル総長が行なっているエジプトおよびイスラム共同体への貢献を称賛した。そしてアズハル総長はエジプトにとっても、アラブ世界およびイスラム世界にとっても偉大な価値を体現していると語った。
エジプト大統領府に関しては、メディア担当のアフマド・ムスリマーニー氏が、大イマームと会ったあと、、エルドアン首相の声明は限られた宗教的教養、およびアズハルの位置づけに対するまったくの無知から出たものであると述べた。さらにムスリマ―二―氏はエルドアンに口を閉ざすよう要求した。エジプトにはエルドアンについて言うことのできる多くの事柄があるのだからと。
イスラム研究アカデミー、大ウラマー機構、およびアズハル大学の教授たちは、アズハルとトルコのあいだの宗教的協力関係を凍結するよう求めた。これは昨日出た声明のなかに記されている。その声明はこう述べている。「私たちは激しい不快感を持って、大イマームに対する攻撃を拒否する。大イマームはエジプトにとっての象徴であるだけでなく、世界のすべてのイスラム教徒にとって大きな支えなのである」
スーフィー最高評議会の議長であるアブドゥル・ハーディー・カスビー博士はエルドアン首相の声明について、それは世界中の15億以上のイスラム教徒の感情を傷つけあおっていると語った。また救国戦線の指導者であるアムル・ムーサ―氏はアズハル総長と会談した後、「われわれはアズハル総長に対しすべての敬意と称賛を向けている。国内外で彼が体現する偉大な価値を鑑み、彼に対する攻撃を、われわれは拒絶する」と語った。
前外相であり、会議党首であるムハンマド・ウラービー氏は外務省とエジプト政府に対し、エルドアン首相およびトルコ政府の行き過ぎた行動に断固とした姿勢を取ること、そしてエルドアン首相がエジプトおよびアズハル、そしてアズハル総長に対して行った攻撃には決然とした抗議を行うことを要求した。革命党の副党首であるナーディル・バッカール氏はエルドアン首相の声明を受け入れがたい中傷であると語った。
(訳注:四本の指のサインはラービア・アダウィーヤ広場の座り込み支持を示す。)
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Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
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( 翻訳者:八木久美子 )
( 記事ID:31287 )