中央銀行の打ち出した施策に対する疑問がドルを高騰させ、2.085リラという最高値を記録した。トルコリラは昨日もっとも値下がりした通貨となった。
中央銀行のエルデム・バシュチュ総裁が先週「ドルを倒して、リラをしっかり守る」と発言したことに対する反響が続く中、ドルがさらに高値を記録した。ドル は、中央銀行の量的対策では相場維持のために不十分ではないかという懸念や、緊張が続くシリア情勢によって1ドル=2.085リラという歴史的高値を記録 した。トルコリラは昨日、新興国の通貨の中で最も値を下げた。ドルに対して1.5%という下落幅だが、他に1%以上下落した通貨はなかった。
ガランティ銀行の投資戦略アナリスト、トゥファン・ジョメルト氏は、リラ安には2つの要因があると分析する。「一つ目はアメリカの委員会でシリアへの軍事攻撃の決定が、9月9日の議会で早急に承認されることを意味していると言うことだ。市場では来週にも攻撃が始まると考えられている。このことでリラはかなりマイナスの影響を受けている。」一昨日、中央銀行が経済学者らと行った会合では、新しい対応策などは示されなかったと言い、「中央銀行が不安定な金利の解消をリラ安対策より優先すると言ってから、投資家の間ではリラが守られていないという認識が強まった。海外の機関の中にはリラの取り扱いを取りやめたところもある」と評した。
中央銀行が以前の発表に反していまだに相場調整策を打ち出さないことを懸念するアナリストたちは、9月9日におこなったドル売り介入で売却総額が1億4千万ドルから2千万ドル上がって1億6千万ドルとなったことも十分ではないと強調する。ロイター通信の取材に応じたある銀行の為替担当責任者は、中央銀行の方針が明確でないことが市場を不安にさせていると指摘し、「為替レートを守ると言った数日後に、そういった保護は不要であるという見方を示したりする。2千万ドルの変動など、ないに等しい改善幅だ」と話した。
ザフェル・チャーラヤン経済大臣の発表もまた、市場に混乱をもたらしドルの値上がりに影響を及ぼしたとされている。タタールスタン訪問の際に取材に応じたチャーラヤン大臣は、インフレに関する中期プログラムの中で為替相場の調整が必要としながら、中央銀行のバシュチュ総裁が年末までに1ドル=1.92リラとすると発表したことについては、「強引過ぎる」とコメントした。
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( 翻訳者:湯澤芙美 )
( 記事ID:31361 )