金角湾地下鉄架橋、完成へ
2013年09月22日付 Zaman 紙


歴史的な景観に対する影響ゆえに、常に議題となってきた地下鉄の橋がついに完成しようとしている。

イスタンブルの真珠、金角湾のシルエットが一新され、タクスィム地下鉄がイェニカプに通じるまであとわずかとなった。レールが敷かれた橋の上に作られる地下鉄駅も、その姿を現した。熱心な作業が続く同路線の最初のテスト走行は、(海底鉄道トンネルによってボスフォラス海峡を横断する)マルマライのオープンと同じ日に、レジェプ・タイイプ・エルドアン首相によって行われることが期待されている。テスト走行は2013年10月29日開始予定で、2ヶ月間続けられ、橋は2014年1月に開業する。

イスタンブル広域市によって作られた橋は、1952年に初めて議題に上った。1982年には調査が行われ、(文化財)保護委員会は1990年に橋の建設を承認した。1998年になると、トンネル建設のための提案がなされ、1年でシシハーネ・カラキョイ間とウンカパヌ・イェニカプ間のトンネルが開通した。金角湾を越える橋については、2005年までに21のプロジェクトが保護委員会に提出された。しかし、いずれのプロジェクトも歴史的なシルエットにはふさわしくないとされた。2005年になると、建築家ハカン・クラン氏が提案した現行のプロジェクトが保護委員会において承認された。しかし、その当初から橋のシルエットの与える影響が議題からはずされることはなかった。議論の影で作業が続けられた橋の主塔の高さは、当初の計画では82メートルであった。

イスタンブルが世界遺産リストからはずされ、UNESCOが「危機にさらされている世界遺産」リストに掲載すると警告したことを受けて、主塔の高さは幾度かにわたって下げられた。スレイマニイェ・モスクのシルエットに与える影響を考慮し、主塔の高さは65メートル、ケーブルの始点は47メートルの高さまで下げられた。UNESCOは、各段階で報告書を提出させることを決定した。

同橋に関する最後のプレゼンテーションは、2012年4月にパリで行われた。この後、2ヶ月に一度のプレゼンテーションが行われた。橋の主塔の高さから色に至るまで、UNESCOとの議論を経て決定された。塗装作業のため、それぞれの季節と時刻ごとに橋の周囲から様々なアングルで写真撮影が行われた。周辺の色彩を確認した上で橋は灰色、駅は明るい茶色とすることが決定された。

橋を通過予定のタクスィム・イェニカプ間の地下鉄路線は、全長5.2キロメートルで、4つの駅からなる。タクスィム地下鉄はシシハーネのアザプカプで地上に姿を現し、橋で金角湾を越えた後スレイマニイェで再び地下に潜る。橋の上には地下鉄駅も歩道も設置されている。この橋で金角湾の13メートル上から旧市街を臨みながら歩くことができるようになり、カラキョイ側の橋のたもとにはいくつかのカフェができる。

海上の橋の長さ460メートルである。建設費用は1億8000万リラで、ウンカパヌとアザプカプの橋脚を入れた長さは936メートルに達する。橋桁の高さは海面13メートルで、5つの橋脚が支えている。

橋の下の地面は沈泥であるため、いかなる沈下も起こらないよう、橋脚の下には何十もの杭が打ち込まれた。水深110~120メートルに打ち込まれた36の杭が橋を支えている。スチール製の杭はポーランドで特別に製造され、ミリメートル単位の計算で設置された。それぞれの杭を設置するために、考古学的な発掘が行われた。

歴史的な出土品が出ると、杭の位置は変更された。しかしこれは簡単なことではなかった。橋全体に変更を加えることになったからだ。橋のウンカパヌ側には、大型船の通行を可能にする可動部がある。夏の間は週1回、冬の間は週2回、夜中の1時から5時まで開けられる。橋とイスタンブル地下鉄は、イェニカプ乗換駅に直通する。イェニカプではマルマライおよびアクサライ・空港間のライトメトロとの乗り換えが可能となる。1日に100万人の利用が期待されるこのルートは、2014年1月に開業予定だ。

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( 翻訳者:永山明子 )
( 記事ID:31494 )