モロッコ:伝統騎士芸能「ツブーリダ」
2013年09月22日付 al-Hayat 紙


■「ツブーリダ」モロッコの伝統的騎士芸能

【ラバト:ファーティマ・アーシュール】

3,000年前、馬がモロッコに流入した後、紀元7世紀にはイスラームの伝来とともにアラブ人の騎士たちも同地に到来した。15世紀には、「ツブーリダ」という遊戯が普及した。その後16世紀になると、弓の代わりに銃が使われるようになった。

「ツブーリダ」は、モロッコに起源をもつ民俗伝統遺産である。研究者らは、この遊戯が侵略者や抵抗者や聖戦士に対抗する民族闘争の歴史に 複数のページを書き加えることになったことを指摘している。この慣習は、モロッコの人々の間で、あらゆる機会「幻想の」芸術を祝う国民の祝日で執り行われ、この儀式は銃の火薬の名称からとられた呼び名を持つ。この芸術はモロッコに古い時代に出現した」と言われている。「ツブーリダ」のために訓練した馬を所有するモロッコ人はその部族に良き事をもたらすものである。そのため馬の所有者は敬意を払われ、威厳を持ち、一族の中での価値を持つ者なのである。

社会学者のアリー・アルファーウィーは次のように話す。「伝統的なモロッコ馬術のアーティストたちは、英雄がよって立つヒロイックな姿勢を描き出しています。このことは、銃や火薬をたたえる彼らの歌、短いラブソング、そして叫び声などで示されています」「『ツブーリダ』は、年老いたシャイフを中心に即席の騎士たちが円を描くような形態をとります。このシャイフが『ツブーリダ』の隊長です。彼らは円の回りを回り始め、ジハードを想起させる多様な表現を繰り返します。そして空中か「ツブーリダ」のシェイフの指示に従った地上の方向に向けて銃を発砲します」

すべてのグループは10人から20人の騎手で構成されるが、非常な正確さをもって「ツブーリダ」完遂するため、そこでは高度な統制が要求される。大概の場合最も年長の騎士がその役にあたる「アッラーム」には、騎士たちをまとめあげ、鼓舞するという任務が割り当てられる。一方、騎士たちにとっての難しい任務とは、競争でトップに立とうとする馬たちの手綱さばきに代表される。

競演会場に一団が入場すると「アッラーム」が大声で自分の部族の名前を告げ、部族の男たちの勇気を強調する。そして騎士たちはスタート地点で一直線に並ぶ。「シャイフ」が競争の開始を指示するや否や、馬たちはひたすら約100メートルの距離を走りだす。その中で騎士は、馬列の統御や、銃の操り方などでの、彼らの技を見せつけるのである。

(後略)



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:岸本聖美 )
( 記事ID:31509 )