イラン外相とヨーロッパ連合(EU)外交政策代表は昨日、ニューヨークで会談した。この会談について、両者とも建設的で前向きなものだったと評価、その結果、イランと5+1グループ(国連安保理常任理事国とドイツ)の交渉団が木曜日に協議を行うことで、双方は合意した。
イラン国営通信(IRNA)の報道によると、モハンマド・ジャヴァード・ザリーフ外相は昨日、キャサリン・アシュトンEU外交政策代表との会談後、この会談を前向きなものだったと評価した上で、「木曜日に、イラン側の核交渉団が5+1グループの〔外務〕大臣らとニューヨークで協議を行うことになった」と述べた。
IRNAによると、ザリーフ氏は極めて友好的かつ前向きな雰囲気の中で行われたこの会談の後、「アシュトンとよい協議を始められた。木曜日にニューヨークで行われる予定の5+1グループの〔外務〕大臣らの会議の場で、〔イランも参加する形でイラン核問題に関する〕協議を継続することで、われわれは合意した」と語った。同氏はまた、「さらにこの会談では、双方による協議をジュネーブで続けることでも合意した」と付け加えた。
EU外交政策代表も記者団の前で、イラン外相との会談が建設的なものだったと評価した上で、この会談で合意したことの一つとして、今週開かれる予定の5+1グループ外相会談へのザリーフ外相の参加を挙げた。同氏はまた、ザリーフ氏との会談を「エネルギーに満ち、建設的」だったとした。
イランと5+1グループとの協議には、米英仏露中および独の代表が参加してきたが、外相級協議が開かれるのは、これが初となる。
■ ケリー国務長官も出席
こうした中、ロイター通信は米当局の話として、ジョン・ケリー米国務長官も木曜日に開かれる予定のイラン外相と5+1グループ外相の合同協議に参加する見込みであることを伝えた。
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■ 「協議をめぐる雰囲気は完全に変わった」
昨日、ザリーフ・アシュトン会談を前にして、イラン核交渉団に近いある筋は、「ホルダード月24日〔6月14日〕の大統領選の結果、ならびにその他の地域・国際情勢は、イランと5+1グループの協議をめぐる雰囲気を、以前に対して完全に変えるものだった」と述べた。
IRNAの報道によると、現在ニューヨーク滞在のこのイラン当局はさらに、「それゆえ、核交渉は形式の面でも内容の面でも、かつてと同じコースを辿ることはあり得ない」と明言した。
この人物は、イラン国民の核の権利が少しでも蔑ろにされるようなことはないと強調した上で、「ウィン・ウィンのゲームとなるような、新たな概念上の枠組み、実践上のアプローチが定義される必要がある。それゆえ、ボールはいずれの側にあるのかといったようなことは、もはや正しい捉え方とは言えない」と述べた。
この人物はさらに、「この新たなゲームは、新たなルールをもつことになろう。その目的は、双方が合意する共通点を見出すことだ」と付け加えた。
昨日のザリーフ・アシュトン会談は、新政権発足後、イラン高官が5+1グループの主要メンバーと会談した、初めての会談であった。
■ ザリーフ「問題が一度の会談で解決するなどと期待してはならない」
イラン外相は昨日のEU外交政策代表との会談に先立ち、フェイスブック上で「蓄積された諸問題が、一度やそこらの会談で解決するなどと期待してはならない。実のある永続的な解決策を見出すためには、双方とも対等の立場に立って、建設的なやりとりをする準備をしておくことが必要だ」と記した。
同氏はさらに、「第11期政権は深慮(tadbir)と希望の政府である。私は、国民がこの政府の合理的政策(tadbir)に期待を抱いていることを、とても喜んでいる。しかし外交政策とは本質的に、忍耐と我慢、知性、そしてしっかりとした目標を持った計算された行動が支配する領域なのである」と書いている。
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( 翻訳者:白糸台国際問題研究所 )
( 記事ID:31513 )