軍への「シリア越境許可」1年延長、国会承認
2013年10月03日付 Cumhuriyet 紙
シリア問題に関して政府に与えられている権限を1年延長する許可が、トルコ大国民議会本会議で承認された。
トルコ軍がシリアやその他の外国へ越境することの許可が、公正発展党(AKP)と戦友の民族主義者行動党(MHP)の賛成多数で1年延長された。
AKP政府の外交政策を厳しく批判していたMHPが、「ただし」と言って本案に賛成を表明したことは注目を集めた。また、若者を死へ向かわせることになる本案の協議にAKP議員や大臣らがほとんど参加しなかったことが批判を浴びた。協議に参加しなかった議員らは採決で無条件に賛成に回った。今回承認された 1年延長許可についての協議は急いで始められたものだった。
■MHPが賛成に回る
今回の許可について最初のコメントを発表したのはMHPのアンカラ選出議員、トゥールル・チュルケシュ氏だった。「MHPは、国家的防衛メカニズムを活発化させるという名目で賛成に回った」と述べた。
■共和民主党(CHP)ファルク・ローオール氏
「CHPは、シリアの衝突で特定の勢力を支持するような政策はとらない。各勢力と話し合いをしてきた。トルコは多大な難民政策という負担に苦しんでいる。 難民はキャンプだけでなくトルコ全土に広がってきている。AKPが自慢しているように、難民たちは人間らしく生活する環境が整っているだろうか?トルコは 増え続ける負担に対して、どこから資金を捻出するのだろうか?今回の許可の内容は、集団的移住に注目している。シリアからの難民と地元住民との間に問題も発生している。AKPはこの難民問題で八方塞がりで、何の対策も打ち出せない。AKP政権は国民に害を与えている。シリア問題で必要なのは、延長許可ではなくAKPが対シリア政策を一から見直すことである。CHPは今回の議案に反対票を投じる。」
■BDPイドリス・バルケン氏
「新年度を戦争に関する許可で迎えなければならないことが残念だ。今日行われた決定は、非公式に始められた戦争プロセスを公式なものにすり合わせる作業だ。我々は、トルコのAKP政府がやるべきことはシリア国民の自由を確立する政策であると主張した。民族的かつ宗派的な争いの足音が聞こえてくる」
■AKPヴォルカン・ボズクル氏
「シリアで3年近く起こっている変化について、国内でも取り上げてきた。国連安保理の決議で、シリアの攻撃が明らかに犯罪行為であることが証明された。2 年半経って、ようやく国連が決定を下したことを歓迎している。化学兵器の使用についても6月に明らかになり、シリアの深刻な状況は悪化している。」
本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
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( 翻訳者:湯澤芙美 )
( 記事ID:31600 )