BDPは、マスコミが伝えた「党大会危機」騒動から一夜明けた今日、会派会合を中止した。一週間に一度の会派会合が開催される予定であった時刻に、デミルタシュ党首がディヤルバクルで記者会見を開くことに関心が集まる一方、舞台裏では危機に関するシナリオがささやかれ始めている。
BDP(平和民主党)のセラハッティン・デミルタシュ党首が地方選挙後に退任するという話しが出た後、さらに同党が、新たな立法年に開く予定であった最初の会派会合が中止されたことが「危機」と呼ばれる原因となった。デミルタシュ党首が、一週間に一度の会派会合の開催予定時刻にディヤルバクルで記者会見を開くことに関心が集まる一方、舞台裏では危機に関するシナリオがささやかれ始めている。
PKK(クルド労働者党;非合法)で今夏に実施された執行部改革以降、裏ではBDPでも改革が行われるであろうと言われていた。昨日マスコミは、地方選挙前に臨時党大会の開催を求めるデミルタシュ党首の提案が党執行部から認められなかったために、地方選挙後に(デミルタシュ党首は)共同党首を退任するであろうと報じた。このニュースは「BDPに何が起きている?」という疑問を生んだ。
これらの話題が議論される中、BDP本部は会見を開き「我が党の共同党首セラハッティン・デミルタシュ氏が臨時党大会の開催を要求し、またこれが認められなかったために同氏が共同党首を辞する意思を党に伝えたとするマスコミでの報道は、事実ではありません」と釈明した。
■記事にない情報を否定
しかし、この釈明に世論は納得しなかった。会見で否定された「共同党首の座を辞する意思を党に伝えた」という情報が(昨日の)報道には無かったため、さらなる混乱を招いた。
■代わりの会派会合?
議論が飛び交う中、BDPが新たな立法年に開く予定であった最初の会派会合が中止されたことが、党内で危機が始まったと言われる証拠だと考えられた。直後には、一週間に一度の会派会合が開かれるはずであった時刻に、デミルタシュ党首がディヤルバクルで記者会見を行うことが発表された。BDPの会派副代表であるペルヴィン・ブルダン議員は、会派会合中止に関する会見で、デミルタシュ党首が今日12時30分にディヤルバクルで記者会見を開くために会派会合が行われなくなったと説明した。ブルダン議員は、デミルタシュ党首が記者会見で、自身についての報道に関する説明を行うことを明らかにした。さらに、デミルタシュ党首が今後、体調不良のため簡単な手術をディヤルバクルで受ける予定であると付け加えた。
■シナリオ1:ディヤルバクルで女性候補論争?
噂されているシナリオのひとつは、ディヤルバクルと、デミルタシュ党首の選挙区であるハッキャーリをはじめとする特定の重要な県で、女性候補者を擁立するかという論争である。BDP女性会議は、地方選挙で焦点となる22の県や郡に女性の首長候補者を立てることを主張した。この主張は党内に緊張をもたらし た。デミルタシュ党首や一部の幹部らは、もっとバランスのとれた候補者の配置を求めた。しかしKCK執行部が女性会議の提案に賛同したために、デミルタシュ党首はこの主張に異議を唱え、臨時党大会の開催を主張したのだ。
■シナリオ2:アイナ論争?
この問題について上がったもう一つの論争は、憲法裁判所によって解党させられたDTP(民主市民党)の元共同党首、エミネ・アイナ氏に関するものだ。アイナ氏をディヤルバクル広域市長選に立てるという主張に関し、BDP幹執行部は「アイナ氏は党の活動に参加していない」という理由で党規順守を求めた。しかしこの決定が党内で論争を呼び起こした。党内の議論が、党の危機を招いたのだ。
訳注:解散後DTPの議員はBDPに合流した
■シナリオ3:地方選挙での主張?
一週間に一度の会派会合が中止された後、舞台裏では様々なシナリオが噂された。そのうちの一つが、地方選挙に関するものである。それは、BDPで「HDP(国民の民主主義党)と地方選挙に臨む」決定が党内に議論をもたらした。オジャランが、面会したBDPの代表団に対し、BDPが地方選挙でHDPの傘下に入ることが出来ると発言したことが論争の引き金になった。デミルタシュ党首と側近のBDP幹部らは、HDPとして選挙に臨むことにはリスクがあると考え、あくまで BDPとして進めていくことが必要だと主張した。HDPの傘下にある左派政党が、同盟を組んでいるにも関わらずメルスィンで他の政党に投票した、というようなことがあり、連合するにはまだ時期が早すぎると指摘されている。結局この危機は、「東はBDP、西はHDPの名の元に選挙活動を行う」という決定で乗り越えられたようだ。
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( 翻訳者:池永大駿 )
( 記事ID:31642 )