■タイムとクミンに関するエジプトの研究
【カイロ:シャウカト・イスカンダル】
タイムには免疫機構を促進する成分が含まれており、人間にとって最も有益なスパイスの一つとされている。だから地中海の人々の間でタイムのさまざまな飲食法が広まっているのは意外なことではない。地中海地方はまた、タイムの栽培地としても名をはせている。タイムはお茶として摂取することも可能である。その場合、甘味づけの蜂蜜が免疫機構の強化にさらに貢献することを特記しておこう。
エジプト国立研究センターのムハンマド・アフマド・マタル博士の研究は、タイムが喘息(ぜんそく)、百日ぜき、気管支炎といった呼吸器系に関連した諸疾患の治療におおいに有益であることを明らかにした。またタイムは免疫系の強化にも作用し、痛みを緩和する。消化促進、食欲増進、何種類かの寄生虫の消化器からの除去、コレステロールの低下、歯肉・歯の強化にも効果があるという。歯磨き粉の中には製造の際にタイムを利用するものさえある。一方、タイムは便秘の原因ともなるが、オリーブオイルを加えることでその問題を緩和することができる。
クミンの知られざる顔
国立センターの別の研究では、園芸作物技術部門の女性研究者であるアマル・マスウード博士が、クミンにはカルシウム、ナトリウム、鉄、マグネシウム、亜鉛、リン、カリウム、葉酸に加えて、何種類かのビタミン、カロリー、食物繊維が含まれていることを明らかにした。
マスウード博士は、ガスの排出、母乳量の増加、肝臓の毒素処理機能の強化、免疫機構の刺激といった効能もクミンが持つことを示した。クミンは体の代謝率も向上させ、脂肪を燃焼することも分かった。さらに、やけど、しわ、水泡、にきびなどの傷跡の治療のため、局所的に使用することも可能だそうだ。
またマスウード博士は、黒クミンの種子が高血圧や気管支炎の治療に有効であることも明らかにした。少量のゆでたクミン(ひく前のもの)は、6カ月以降の乳児のガス治療に有効であると指摘し、妊婦の貧血治療にも助けにもなると述べた。クミンは、シャマル、スヌート、ラージヤーンジュ、ハッバ・ハルワ(甘い種子)、ハッバ・ハラーワ・アラビーヤ(アラブの甘い種子)やそのほか多くの名前を持ち、スパイスに分類される芳香性植物で、数多くの料理に取り入れられているとした。
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( 翻訳者:児島祥子 )
( 記事ID:31723 )