【ナーセル・サブーリー:事件部キャップ】麻薬密売の容疑で死罪が言い渡されていた37歳の男が、〔イラン東北部の北ホラーサーン州〕ボジヌールド刑務所にて処刑され、法医学庁に遺体が引き渡された翌日、信じがたいことに遺体保管室で生き返り、病院に搬送される出来事が起きた。
ジャーメ・ジャムの報道によると、3年前に覚醒剤1キロを所持・携帯した容疑で逮捕され、裁判の結果死刑が言い渡されていた死刑囚の男が、水曜日〔=10月9日〕の朝、死刑囚特別拘置所から刑務所の中庭に身柄を移された。
死刑囚の男は絞首台のロープを見るや、体を震わせ、前に進むこともできない状態となった。彼は数分後に、命を終えることになることを知っていたからだ。
刑執行判事は、死刑囚に下された判決を読み上げた。アリーレザー・Mは覚醒剤1キロを所持・携帯した容疑で革命裁判所にて裁きを受け、死罪が言い渡されていた。
法的手続きを経て、絞首台のロープが男の首に巻かれた。死刑囚の男は12分間、絞首台に吊された。死刑囚の男の体が絞首台から降ろされ、待機していた医師が彼の死を確認した。そしてこの医師と刑執行判事、ならびに刑務所責任者の署名の入った確認書と共に、遺体は法医学庁に搬送された。遺体は翌朝、親族に引き渡されることになっていた。
翌朝、法医学庁の遺体保管室の職員の一人が、遺体を外に運び出し、親族に引き渡す準備をした。その時である、職員はビニールに覆われた遺体の一つの鼻から、なんと湯気が立ち上がっているのを目撃したのである。仰天した職員は、息をしているのが前の日に処刑されたあの男であることに気がついた。
法医学庁の責任者がこれを知るや、直ちに同庁の医師による応急措置が行われ、処刑された男はボジヌールドにあるイマーム・アリー病院に搬送された。
生き返った男
取材によると、死刑囚の男はこの病院の特別看護室に入院・治療を受け、概ね良好な状態にあるとのことだ。この病院の看護師の一人は、本紙記者に「病院に搬送されると、囚人への治療が始まった。彼の容態は日に日に改善している」と述べている。
死刑囚の男の親族の一人も、本紙記者に「アリーレザーは刑務所にて処罰されたと知らされ、私たちは遺体を引き取り、葬儀を執り行う準備をしました。遺体引き取りのために法医学庁に赴いたところ、何と信じられないことに、彼は生き返っているではありませんか。今は誰よりも彼の二人の娘が、このことを喜んでおります」と話した。
この人物はまた、「アリーレザーは今、病院で当局の監視下にあります。今後のことについて決定が下されるのを待っているところです」と述べた。
判決はどうなるのか?
信じられないことに息を吹き返した死刑囚の男に下された判決は、今後どうなるのだろうか。このことについて、行政公正院のモハンマド・エルファーン判事は次のように言う。「革命裁判所から下された判決は死罪であった。この判決は確定されており、こうしたケースでは死刑囚の男の容態が回復し次第、再度判決が執行されることになるだろう」。
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法律家である同氏はさらに、「1389年〔2010年〕に可決された改正麻薬撲滅法は、所持・携帯された麻薬の量について詳細な規定を設けている。それによると、30グラム以上の覚醒剤を所持・携帯した者には死罪が適用されることになっている。この刑罰は、処刑された男にも適用されるだろう」と明言した。
本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
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( 翻訳者:白糸台国際問題研究所 )
( 記事ID:31734 )