サウジアラビア:メッカの中規模製パン業者の半数が休業
2013年11月08日付 al-Hayat 紙
■ メッカの中規模製パン業者の半数が休業
【ジッダ:アブドゥッラー・ジャリーダーン】
サウジアラビアにおける外国人労働者の身分確認実施期間が終了して当局の民間企業への立ち入り調査が開始されることへの不安が、製パン業界に広がった。メッカ地域にある中規模製パン業者全体の50%が休業しており、「ジッダ商工会議所・製パン部会」のメンバーが匿名を条件に本紙に語ったところによれば、これらの業者は雇用労働者の身分確認を行っておらず、当局の立入調査を怖れて開店しないのだという。
これとは対照的に、当局の指示に従い労働者の身分確認を済ませたメッカのパン屋ではパンの売り上げが著しく増加しており、休業状態のパン屋が製造する分を補うために50%の増産を余儀なくされている。一方もぐりの製パン業者相手の小麦の闇取引が止まった結果、市場に小麦粉が溢れることとなった。
関係筋は次のように明かした。「メッカにある中規模の製パン業者全体の50%が休業しているが、これは、労働省と内務省が指示した違法外国人労働者確認作業と製パン業界を含む民間企業への当局の立入調査を業者たちが恐れているためである」
同筋はまた次のように述べた。「零細経営のパン屋の労働者たちは、「製菓職人」、「窯入れ職人」、「パン職人」、「粉をこねる職人」等々の固有の肩書きを持っているにもかかわらず、それらの職人たちはほぼ同一の仕事に従事している。しかしパン屋の労働者たちは本来、経営者が持っている被雇用者関連書類に記載された職種に応じた仕事につかねばならないとされている」。さらにこう続けた。「製菓職人はパン職人として働くことはできるものの、パン屋の経営者たちは、立入調査で製パン作業をしているのが菓子職人だと判明して彼らに多額の罰金が科せられるのを恐れており、そのため多くのパン屋が店を閉じているのだ」。
メッカにある大手製パン業者の一人トルキー・バドル氏は、本紙に対して次のように説明した。「不法滞在外国人労働者をサウジへ派遣する組織的取り組みが存在しており、そのことが正規営業の製パン業者たちが50%以上の増産を強いられていることに大きく関係している。このため、パンの製造とパンをあらゆる地区・食料品店に配達することに携わっている違法就労者たちを排除する措置が講じられることになった。その結果、客たちは正規営業のパン屋へ向かうことになった。」
「ジッダ商業会議所・製パン部会」のアリー・ジャーズィウ委員は、外国人労働者の身分確認実施期間終了後に生じた現在のパン需要の急増を「信じがたい程に大規模」と表しており、この状態は雇用労働者の身元確認作業をしなかった一部のパン屋が店を閉じた直後に生じた。このため多くの会社・事業所は、休業状態のパン屋の分を含む大量のパンを確保しようとすれば、もぐりのパン屋が焼くパンも買わねばならない。
本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
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( 翻訳者:今井花南 )
( 記事ID:31849 )