「第二のリーギー」アブドッラヒーム・モッラーザーデの正体
2013年10月27日付 Jam-e Jam 紙


【メフル通信】「ジェイショル・アドル」という名のテロ組織が、イラン人国境警備兵16名〔※ママ〕殉教事件への関与を認めた。この組織はワッハーブ派のテロリストで、サラーホッディーン・ファールーギーという偽名を名乗る人物が率いている。

 サラーヴァーンは今、イラン人国境警備兵14名の家族にとって、別の名を帯びている。すなわち、彼らにとってこの町の名は「14名のイランの子を奪った町」なのである。

 金曜日の夜、サラーヴァーンは血の臭いに包まれた。イラン・イスラーム共和国の国境警備兵らと武装集団との戦闘は極めて激しく、銃声はしばらくの間続いた。イラン国境警備隊の巡回中、サラーヴァーンのゴズボスターン167駐屯隊を襲った血塗られた戦闘は、イラン人国境警備兵14名(うち12名は兵役中の兵士、2名は士官)の殉教と、6名の負傷という結果を残した。武装した悪党たちはすぐに戦闘現場を離れ、パキスタンへと逃走した。直ちに、報復措置が取られた。テロの悲しみにうちひしがれている家族たちの痛みを少しでも癒すべく、収監中の地域の悪党16名が司法によって処刑された。

 約30時間後、「ジェイショル・アドル」という名のテロ組織がインターネット上に声明を発表し、このテロ行為への関与を認めた。このテロ組織のリーダーは自身を、テロ組織「ジョンドッラー」のリーダーで処刑されたアブドルマーレク・リーギーの後継者を名乗った。しかし、イラン東部国境地帯に潜むこの第二のリーギーとは、何者なのだろうか。彼の率いる組織はどこからやって来たのだろうか。

リーギーの信奉者

 テロ組織ジョンドッラーの指導者アブドルマーレキー・リーギーが処刑された後も、リーダーを失ったこの組織は自らの犯罪行為を続けた。まず「アンサール」という名の組織がスィースターン・バルーチェスターン地方に生まれた。ニークシャフル出身で逃亡中のワッハーブ主義者をリーダーに据えたこの組織は、チャーバハールでの金曜礼拝中に起こしたテロ行為に失敗し、このテロ行為に関与した自爆犯らは死亡した。その後、昨年のモルダード月〔西暦7/8月〕になって、今度は「ジェイショル・アドル」を名乗るテロ組織の軍事部門が産声を上げた。この組織を築いたのは、ラースク県出身で、アブドッラヒーム・モッラーザーデという名のワッハーブ主義者の悪党(偽名:サラーホッディーン・ファールーギー)だった。

 彼はモウラヴィー・ジョンギーゼヒー殉教事件に関与した疑いで兄弟が逮捕された後、パキスタンに逃亡、彼の地でテロ作戦の計画立案を始めた。彼はそのためならば、バルーチ人の子供たちをも利用した。彼はこれらの子供たちに軍事的な訓練を施し、ワッハーブ派の教義を強要したのである。

 この組織の本拠地はパキスタンとイランの国境地帯で、ジェイショル・アドルのテロリストたちはサラーヴァーンで金曜日の夜に起こしたミッション実行のために、イラン人国境警備兵らを待ち伏せしていた。

 ジェイショル・アドルのテロリストたちは、すでに死亡した3名の悪党・テロリストの名を冠した、3つの軍事組織を立ち上げている。アブドルマーレク・モッラーザーデ隊、ネエマトッラー・トウヒーディー隊、シェイフ・ズィヤーイー隊の3つである。これらの部隊はテロ・自爆作戦実行のための計画立案や部隊の訓練を行っていた。そしてこうした彼らの犯罪行為の最新のものが、金曜日の夜にサラーヴァーンで起き、国境警備兵14名を殉教せしめた事件なのである。

 サラフィー主義の教えと、ワッハーブ派の信仰を有したジェイショル・アドルは、シリア内戦に関与している反体制派サラフィー主義者たちを支持している。彼らがイスラーム共和国に対してテロを行った理由の一つも、シリア国内にいるタクフィール主義者やシリア反体制派のテロリストたちへの支持にあると、彼らは公言しているのである。



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:白糸台国際問題研究所 )
( 記事ID:31876 )