パレスチナ:ハマースに初の女性報道官
2013年11月12日付 al-Hayat 紙


■「ハマース」の初の女性報道官:私はイスラエル人には返答しない

【ガザ:本紙・ロイター、UPI】

「イスラーム抵抗運動」(ハマース)はイスラー・ムダッラル氏を同組織の報道官に任命した。女性がこの役職に就くことは1987年のハマースの創設以来初のことである。

ムダッラル氏は23歳で、イギリスに住んでいたことがあり、英語を流暢(りゅうちょう)に話す。ガザ地区を支配している「ハマース」の見解を海外メディアへ伝えることが彼女の使命である。「ハマース」政府の報道官であるイーハーブ・ガシーン氏は、新しい女性報道官と欧米メディアとの良好な職業的関係を期待していると表明した。ただし、ムダッラル氏はイスラエルのジャーナリストからの呼び掛けには応じないつもりであることを強調した。

イギリス紙の『デイリー・テレグラフ』はムダッラル氏の次のような発言を報道した。「私の主な任務はパレスチナ問題や人間の苦しみがもつ真実や人間性の姿を伝えることである。これは現在のイスラエルの包囲と、エジプト当局による密輸トンネル破壊の下で、物資の不足や剥奪を経験しているガザ地区の180万人の住民が直面しているものである」

ヨークシャー方言の英語を話すムダッラル氏は「ハマース」のメンバーではない。彼女はヒジャーブをかぶり、音楽を聴き、男性とも時々握手をする。これらは通常「ハマース」が拒否している行動である。

「ハマース」の新報道官は彼女の両親が難民としてエジプトに滞在している時に生まれたが、パレスチナ国籍を得た。彼女は10歳から14歳までイギリスのブラッドフォードにある学校で学び、イギリスで2003年のイラク侵攻に対する、「戦争をやめろ」キャンペーンのデモに参加した。

ムダッラル氏はガザ・イスラーム大学でジャーナリズムを学ぶためにパレスチナに戻り、地方の『キターブ』というテレビ局で記者として働いた。その時にトニー・ブレア元英国首相の妻の姉妹のローレン・ブース氏や、アメリカの左翼政治思想家のノーム・チョムスキー氏にインタビューをした。

ムダッラル氏は現在ラファハ(ガザ地区)の難民キャンプで暮らしており、ついに現職に就いた。

(後略)



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:甲斐江里子 )
( 記事ID:31954 )