「まだはじまったばかり」エルドアン・ディヤルバクル訪問二日目演説
2013年11月18日付 Milliyet 紙


ディヤルバクル訪問初日に「山にいるものは山を下り、刑務所には人がいなくなるのを目にするだろう」というメッセージを送ったレジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、二日目に人々に「これは始まりに過ぎない。和平プロセスによってたったの1年で私たちがこれほど変わったとしたら、数年内に起こることを予想して、あなたたちも夢見てください」と述べた。エルドアン首相は、ディヤルバクルのビスミル郡で行われた開所式で要約すると次のようなことを話した。

■また「クルディスタン」という言葉を使った

ディヤルバクルの兄弟と旧交を温めた。歴史的な一日を過ごした。イラク・クルディスタン自治区大統領マスード・バルザーニー氏は、このセレモニーで私たちと興奮を分かち合った。

■平和維持に努めてください

ディヤルバクルが強ければ強いほど、栄えれば栄えるほど、平和であれば平和であるほど、アルビルとスレイマニーヤ、ザホ、モースル、バクダート、ダマスカス、カミシュリも強く、栄え、平和である。ディヤルバクルは、ネブルーズに始まる春の雰囲気を力強く支えるべきである。

■雪玉のように

これは始まりに過ぎない。和平プロセスによってたったの1年で私たちがこれほど変わったとしたら、数年後に起こることを予想して、あなたたちも夢を見てく ださい。このプロセスが雪玉のように進むことを願っています。前進するたびに大きくなり、大きくなるたびに希望は増えるでしょう。この地域の歴史が変わることを願っています。ディヤルバクルから生まれた平和の日がトルコ全土を暖めることを願っています。私はあなたたちにお願いしています。この和平プロセスを強く支持してくれることを。

■イデオロギーという皮のシャツである

ここに入る際にごみが積まれているのが私の注意を引いた。ゴミ、汚物、泥は、ビスミルの運命ではない。イデオロギーという皮のシャツを着たら、清潔なビスミルを見つけることはできない。若者は、雪や雨の中、泥濘の中で泳ぐ必要はない。

■吸血鬼

ある人は和平プロセスを非常に不快に感じている。彼らは若者の血や麻薬によって毒された悲しい人々により養われている。彼らはもう機会に乗じることはないだろうと思う。 昔のトルコの時代はもはや終わった。新しいトルコとは1920年4月23日にアンカラでトルコの全ての色(種々雑多な人びとのこと)を含んだトルコのことである。

■私はクルド人の兄弟と言う

私はトルコ人に「トルコ人の兄弟」と言える。クルド人にも「クルド人の兄弟」と言うことができる。私たちは、この多様性も含めて一つの国家であ る。一つの国民、一つの国旗、一つの祖国、一つの政府である。このように私たちは未来を歩いていくつもりだ。私たちにはほかの国旗は不要である。私たちの国を分離しようとする者を容認しない。

■私たちが進むべき場所は明らかである

種々の禁忌(の実行)が禁止となったトルコがある。自由が日々強くなっており、民主主義がさらに高い水準になっているトルコがある。あなた方をアッラーゆえに愛している。 トルコ人のためでもクルド人のためでもない。地位・立場のためでもない。それらがなんだというのだ。私たちが最終的に行くのはどこか。大地である。埋葬されるときに、イマームは大統領あるいは首相を意識して何かを語る訳ではない。

■地方選へのメッセージ

地方行政においてディヤルバクルとビスミルは現在の情勢を全く反映していない。ビスミルは、もはや行政では民主的で近代的なイデオロギーではなく、サービスに焦点を当てた行政をおこなう。あなた方が良心よって決定を下すことを私は望んでいる。あなた方が変化を望むことを期待している。

■罪はサズを弾くことであった

残念ながらこの国で多くの芸術家が、言葉、出自、アイデンティティのために見下され、弾き出され、疎外され、国や生まれ育った場所から離れて生活することを余儀なくされた。この至近の例がアフメト・カヤである。アフメト・カヤも私を刑務所で民謡を歌って迎えてくれた。彼の罪はなんであったか。これを自分の歌で歌っていた。彼はディヤルバクルの生まれという。名前はバフティヤル。罪はサズを弾いたことである。心から湧き上った感情をサズの弦で奏でたことである。

■民謡の伴奏で始まった

セレモニーに副首相のビュレント・アルンチとベキル・ボズダーとEU担当大臣エゲメン・バウシュと家族社会政策大臣ファトマ・シャーヒン、食糧農業畜産大臣メフディ・エケル、内務大臣ムアンメル・ギュレル、開発大臣ジェヴデト・ユルマズ、財務大臣メフメト・シムシェキ、国民教育大臣ナビ・アヴジュ、森林水道大臣ベイセル・エルオール、運輸海事情報大臣ビナリ・ユルドゥルム、公正発展党副党首メヴリュト・チャヴシュオール、首相府次官エフカン・アラ、ディヤルバクルと周辺の県議会議員も参加した。

エルドアン首相は、演説の後にその場に集まった子供たちに様々なプレゼントを配った。首相は、その後会場の隣に新しく建てられた裁判所の建物を見学した。

セレモニーを行う場所に来るためにホテルを出発したエルドアン夫妻は、乗車したバスから市民にあいさつした。子供たちにプレゼントを配った。バスの中ではその地域の民謡が流れていたことは注意を引いた。

■バルザーニーからアルビルへの招待

北イラク自治政府大統領マスード・バルザーニーは、首相エルドアンをアルビルに招待した。エルドアンは同じホテルに滞在していたバルザーニーと昨日ディヤルバクルの郡を訪問する前にロビーで別れを告げた。首相へ今回の招待についての感謝を述べたバルザーニー大統領は、エルドアン首相もアルビルに招待し、自分をもてなしてくれたことを幸せに思うと述べた。エルドアン首相はというと、アルビルに向けあいさつをした。首相はホテルを出発する前にシヴァン・ペルヴェルとも少しの間話をした。



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:新井慧 )
( 記事ID:32016 )