バイデミル・ディヤルバクル市長、バルザーニー北イラク大統領会見内容
2013年11月17日付 Radikal 紙


オスマン・バイデミル・ディヤルバクル広域市市長を訪問した北イラクのクルド自治区のマスード・バルザーニー大統領は、和平プロ ジェクトを支援するためにディヤルバクルを訪れたといい、「クルディスタンの人びとは平和のため待ってください。アメド(※ディヤルバクルのクルド語での呼び名)は私たちの家ですが、アルビルもあなた方の家です」と述べた。

レジェプ・タイイプ・エルドアン首相の招待で16日、ディヤルバクルを訪問した北イラクのクルド自治区のマスード・バルザーニー大統領は17日、同行している著名クルド系歌手シヴァン・ペルウェルとともにオスマン・バイデミル・ディヤルバクル広域市市長を訪問した。

バルザーニー大統領の訪問のため、市庁舎の正面にはトルコとクルドの旗が掲げられ、クルド語、トルコ語と英語で「ようこそいらっしゃいました」と書かれたボードが置かれていた。バルザーニー大統領を市庁舎の前で、地域の衣装を着たオスマン・バイデミル広域市市長、マルディン選出の無所属国会議員のアフメト・チュルク民主社会会議(DTK)共同議長、ディヤルバクル選出無所属のレイラ・ザナ国会議員、ムシュ選出のスル・サクック国会議員、市庁舎の全部署の長らが迎え入れた。

■バイデミル:北クルディスタンにようこそ

バイデミル広域市市長は、歓迎式典で建物に入る前にバルザーニー大統領と立ったまましばらく話し合った。その後、バイデミル広域市市長、バルザーニー大統領と国会議員は、報道関係者を締め出しておよそ1時間の会談を行った。会談後、バルザーニー大統領とバイデミル広域市市長は、トルコ とクルドの旗が掲げられている大きなボードの前で、シヴァン・ペルウェル氏、チュルク氏、平和民主党(BDP)党と公正発展党(AKP)の新旧国会議員らとともに記者団の前に現れた。バイデミル広域市市長が、「あなたの家アメド(ディヤルバクル)にようこそいらっしゃいました」といって始められたクルド語の談話は以下の通りである。

「親愛なる大統領、北クルディスタンにようこそいらっしゃいました。今日、南クルディスタンの大統領が祖国であるアメドを訪問してくれました。ここにあなた(バルザーニー)がいることを大変嬉しく思い、今日あなたを歓迎します。私たちは融和のため食事を一緒にとります。同胞愛は互いに手を差し伸べることになります。アッラーに感謝します、融和を信じていますので。今世紀の内に、結束し努めて、抑圧された人びと、抑圧された人びとの解放の世紀となります。すべてのトルコの兄弟たち、アラブの兄弟たち、ペルシャ(イラン)の兄弟たちに呼びかけます。クルド人の団結、協力は、彼らの友情ともなります。クルド人が協力するならば、神のご加護により中東の和平が達成される。中東の和平が達成されるならば、アラブ人、トルコ人、ペルシャ(イラン)人も民主化が達成される。今日は歴史的一日であり、歴史に刻まれるものである。親愛なるバルザーニー大統領とともに(この日を)共有した。アメドは、親愛なる大統領の家であり、同様に[イラクの]アルビル、[シリアの]カミシュリ、[イランの]マハバードもすべてクルド人の家である。この会談・訪問はクルド人の融和の基本を創る旅であった。クルド民族は日々、和平により民主化と自由に向かっている。あなたの街へようこそいらっしゃいました。私の上にあなたの地があるのです。昨日、誰もが歴史的な一日を過ごしました。和平的な一日でした、昨日起こったことは。2013年のネウルーズで指導者オジャランによって和平プロジェクトの道がトルコで開きました。この和平プロジェクトの道を開いたオジャランやエルドアン首相のように、私もクルド人に生まれたものとして、彼らに感謝したい、不滅のバルザーニーからマズルム・ ドアン、サキネ・ジャンスズに至るまで、クルディスタンの死者に敬意を表します。」

■バルザーニー:私は平和のために訪問した

マスード・バルザーニー大統領は歓迎してくれたバイデミル広域市市長に感謝し、自身はディヤルバクルへ和平プロジェクトを進めるために来たとした。バルザーニー大統領は和平プロジェクトを最後まで支援すると繰り返し、以下のように語った。

「私は親愛なるオスマン・デミルへ感謝します。アメドへの訪問は、兄弟愛と平和のメッセージを届けるものです。和平プロセスを支援するためにここに来ています。クルディスタンの人びとのことを、トルコ国民の歓迎を伝えたい。ハウレル(アルビルのクルド語での呼び名)の親愛の気持ちを特にアメドの人びとに伝えたいです。私たちクルディスタンの住民は平和を愛する、と伝えたい。アラブ人、トルコ人、ペルシャ(イラン)人の兄弟に平和の手を差し伸べます。親愛なるエルドアン首相が開いた和平プロセスに歓迎しています。また、親愛なるオジャランのこのアプローチを評価しています。和平プロセスを始めたからです。この和平プロセスを背後から全面的に支援します。私たちが望むことは、このようにクルディスタンの住民が辛抱強く、忍耐強い振る舞うことです。なぜなら、和平プロジェクトは容易に手にできるプロジェクトではないからです。平和で得られる利益は他の手段でえることはできません。はっきりと申し上げたいことは、私たちの優先事項はクルド人の統一です。クルド人が統一すれば、自分たちにもっと役に立つだけでなく、その他のアラブ人とトルコ人の友人たちにも役に立つことができる。私たちは目にしている、アメドで始まった新しい歴史プロセスの開始を。そして、これを継続していきたいと思います。何年にもわたり対価を求めず犠牲を払って手にしようとしているものを得るには、和平が最良の手段です。私自身にとってアメドは聖なる貴重な場所です。初めてアメドの街を散策しました。全霊でアメドを愛しています。アメドは私たちの家であり、オスマン帝国時代はハウレル(アルビル)もあなた方の家でした。」

バイデミル広域市市長が準備した食事会に参加したバルザーニー大統領とペルウェル氏は、その後、幹線道路を使って北イラクに向かった。

■バルザーニーとバイデミル会談メモ

※北イラク・クルド人自治区マスード・バルザーニー大統領を市庁舎で歓待したオスマン・バイデミル・ディヤルバクル広域市市長は、執務室の入口にあった1939年にディヤルバクルを空から撮影した写真の前で街(アメド/ディヤルバクル)に関する解説をおこなった。約1時間続いた会談にはバルザー ニー大統領の一団とともにAKP所属でディヤルバクル選出のガリップ・エンサリオウル国会議員、AKP所属でディヤルバクル選出のアブドラフマン・クルト 前国会議員、多くの民間団体の代表者、政治組織の代表者も参加した。

※会談後、バイデミル広域市市長はバルザーニー大統領へシ ・ウ・ラナヒ(影と光)芸術学校でつくられたディヤルバクルを象徴する中国風の皿と「アメド」というタイトルの書籍を贈った。会談の間、市長の執務室にトルコ国旗と北イラクのクルド人自治区の旗を並べられていたことが注目された。

※バイデミル・ディヤルバクル広域市市長とBDP所属の国会議員と一緒に昼食を取りにきたバルザーニー大統領は、食事がすんでからも再び大きな関心を持って迎えられた。バイデミル広域市市長につぎディヤルバクル選出のレイラ・ザナ国会議員は、バルザーニー大統領の車の前で抱擁を交わし、クルド語で、 「私たちはあなたを歓迎できたことを光栄に思います」と述べた。報道陣はそのシーンの撮影に夢中になる中、レイラ・ザナ国会議員は報道陣の方に振り返り、「皆さんは私たちをじきに中傷するのでしょう」と口にした。

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( 翻訳者:岸田圭司 )
( 記事ID:32027 )