鬱病の拡大を抑えるための新たな計画がスタート:少なくとも13.4%のイラン人が鬱に直面
2013年11月11日付 Jam-e Jam 紙

【社会部:アミーン・ジャラールヴァンド】前保健省次官がこれまでの保守的姿勢を覆して、ここ数年間で精神疾患がイランで広まるようになったこと、〔患者の数は人口の〕約19%から23%に達していることを明らかにしたのは、まさに数ヵ月前のことだった。

 もちろん、ファーテメ・ラフシャーニー次官の指摘によると、彼女の友人のなかにはこうした数字を公表しないよう忠告した人もいたが、しかし彼女はこうした数字を公表しても何ら問題はないと信じていたという。

 精神疾患に関する統計データについては口にしないよう常々注意が払われている(保健省の当局者の考えでは、それは人々の間に心理的な不安を起こさせないためだという)が、それにもかかわらず精神的な健康増進を担う関係者らのここ数年の対応が示すのは、精神障害の増加を隠しても社会から痛みを取り除き、それを抑えることにはならないということである。

 こうした中、社会に蔓延する精神疾患の多くは鬱病に帰着する。専門家らによると、現代では鬱は、肉体的な病気に置き換えれば風邪のようなものであり、誰でもこの病気にかかる可能性があるという。

 鬱の拡大にもかかわらず、この精神疾患にかかっている人の正確な数字についての包括的なモニタリング結果はこれまで公表されてこなかった。しかし89年と90年〔西暦2010/11年と2011/12年〕に行われた最新のモニタリングによると、少なくともイラン人の13.6%は各種の鬱にかかっているという。

 さて、もしこの数字を、国内で精神疾患が増えているとのファーテメ・ラフシャーニー氏の明確な指摘を交えて分析するならば、イラン人の鬱罹患率13%という2年前の数字は、今や急激に上昇していると推測しなければならないだろう。

 これまで社会における精神疾患の広まりについては可能な限り口にしないよう努力がなされてきたが、しかしイラン人の間で鬱が蔓延し、それが日一日と拡大していることについて警鐘が鳴らされるようになった今、保健省も対策に動き出している。同省の責任者らがこの精神疾患の拡大を防ぐための新たな施策を明らかにしたのである。

 保健省社会的健康・麻薬中毒・精神局のアフマド・ハージェビー局長は、鬱の広まりに対する保健省の新たな対策を説明する中で、次のように述べている。「現実に、社会に鬱が広まっている。こうしたことから、保健省は《共同監視》と名付けられた新たな施策によって、社会における鬱の拡大に対処する計画だ」。

 ハージャビー氏は、《共同監視》という施策を実施する一つの方法として、患者と一般の医師、精神科医、その他患者の治療にかかわる各機関の相互協力を指摘し、治療にかかわるさまざまな機関の協力によって、社会における鬱の蔓延という危険を抑えることが可能となるとの見方を示している。



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:8410170 )
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