シャンルウルファのとてつもない考古学上の発見であるギョベクリ・テペには全世界が固唾を呑んだのだが、そのギョベクリ・テペからのニュースが待たれている。さて、良いお知らせとして、考古学界の宝であるギョベクリ・テペの最初の出土品が、ついに写真の形でその全容を明らかにしている。
ギョベクリ・テペの発見は、これまでで最も重要な考古学上の発見であり、人類史を書き換えることになる重要な発見を含む世界最古の神殿とみなされ、その発掘作業では日々新たな発見がなされている。この発掘で出土した12,000年前の遺物がついに世界にお目見えする。
■歴史が変わる
写真家のゼカイ・デミル氏は、ギョベクリ・テペの動物のレリーフとT字型の石柱を撮影した;これらの写真は、キュタフヤ産の石が加工されたセラミックに、特別なUV印刷技術で、浮彫の形で印刷された。
ギョベクリ・テペでは「宗教の誕生」が描写されているが、発掘により、定住生活への移行に関し周知の今までの常識をひっくり返すような発見がある。世界で定説とされている考古学の常識によれば、人間が狩猟や採集生活から定住生活に移行する際の最も重要な要素は、飢えに対する恐怖と防衛本能とみなされていたのだが、ギョベクリ・テペの遺物で、定住生活への移行では宗教への信仰も影響した可能性があることが証明されたのである。
■ギョベクリ・テペ、世界へお目見え
ギョベクリ・テペは、シャンルウルファから18㎞東にあるオレンジク村近郊にある峠の最も高い地点にある。
最初、この場所は1983年に発見され、1995年以降シャンルウルファ博物館とベルリン・ドイツ考古学研究所による共同の発掘作業により全容が明らかになった。
2007年以降、ドイツ人学者クラウス・シュミットをリーダーとして発掘作業が進められ、ギョベクリ・テペの約5,000㎡の場所で行われた地磁気調査では、直径8-30mの、円形の20個の礼拝所が発見され、今日までに6個が掘り出された。
ギョベクリ・テペは人類誕生の場所とみなされており、UNESCOの世界遺産暫定リストへ登録されている。
■ギョベクリ・テペの全容が明らかに
ギョベクリ・テペ展は11月30日までシャンルウルファのケマレッティン・ガゼズオール文化芸術センターで無料で見ることができるが、2014年2月にはイスタンブルに来る。
本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
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( 翻訳者:富田祐子 )
( 記事ID:32064 )