【ビージャン・モガッダム発行責任者】イラン核問題をめぐるジュネーブ3協議で起きたことを表現するのに適当な見出しを探すのなら、「大いなる成功」より適当なものは見つからないだろう。
今回の成功は間違いなく、核問題で〔国が追求してきた〕抵抗と進歩の戦略、革命最高指導者の〔ロウハーニー政権に対する〕支持と指導、そして政府の思慮深き政策と交渉団の努力の結果であろう。
明らかに、今回のような合意はさまざまな「貸し借り」によって手に入れられるものだが、〔イランが〕手に入れた成果、〔欧米諸国から〕与えられたもの、確たるものとなったさまざまな権利などを一瞥するならば、「成功」として言及することが相応しいだろう。
合意文書を見てみると、重要な成果としては、・新たな制裁の停止、・イランの核の権利と濃縮計画の承認、・一部の制裁解除、・我が国の資金の凍結解除と国内への移動許可、・国内の核施設の活動継続などを指摘することができよう。
西洋がこうした合意に服さねばならなくなった根本的原因の一つとして、イランに対して国際社会が科した制裁が極めて高くつくものであり、それが破綻していることを挙げることができよう。〔欧米諸国は〕制裁によってイランの国民経済を麻痺させることに失敗しただけでなく、核の進歩にストップをかけることにも成功しなかったからだ。ジョン・ケリー米国務長官が、「合意以外の道はなかった。なぜならイランは、アメリカの前の政権に対して合意の提案をしてきた2003年当時、164器の遠心分離器しか保有しておらず、その時われわれはその提案を拒否したが、今やイランは1万9千器もの遠心分離器を保有しているからだ」と述べているのも、そのためである。
それゆえ、合意文書に基づいて西洋が約束を履行するならば、「制裁体制の瓦解」が結果するのは間違いないだろう。
今後の6ヵ月間が決定的に重要だ。合意した双方は合意文書の内容を忠実に守っていることを、行動で示さねばならない。合意された文書についての共通の理解が、第一歩となる。この点で、アメリカ当局の発言には失望を禁じ得ないが、しかし一部の専門家が言うように、合意文書に関する誤った発言や解釈は、アメリカ当局とイスラエルの関係によるもの、つまりこのインチキ体制の指導者たちの懸念やストレスを鎮めるためのアメリカ側の方便だと考えることが可能であり、ある程度このことには理解を示すべきだろう。ただし、アメリカには合意文書の内容を解釈する権限などないということは、はっきりさせておかねばならない。
最後に一点だけ。政府は核問題での成功を期に、今後は経済構造改革に着手し、生産やビジネスの景気を良くし、人々の暮らしに注意を払うことに全力を傾けてもらいたい。
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Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
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( 翻訳者:白糸台国際問題研究所 )
( 記事ID:32082 )