第11期政権発足から99日目に、核をめぐる難問が解決に向けて動き出した。〔‥‥〕
イランとその交渉相手国との間で行われた協議の結果が発表され、合意が得られたことが確かめられるや、早くもこの合意をめぐってさまざまな分析やコメントが出されている。交渉相手であった西洋諸国からは、矛盾した発言も飛び出すなど、一種の心理戦・メディア戦の様相も呈しており、イランとの合意内容を守るのか、西洋諸国の誠実さについて疑念も生まれている。
イランと5+1の間で合意が得られたことが正式に発表されると、国内の政治関係者らからは、西洋に対してイランが特典を与えたことについて、さまざまな意見が出された。合意内容はイランの国益を保証するものであり、体制の目的にも適うものだとの見方が一部で示される一方、西洋諸国も協議については矛盾したコメントを出している。国内の政治関係者や専門家らによるさまざまなコメント・解釈に共通しているのは、西洋はいまだ信頼できないということ、そして交渉相手国の善意が証明されない限り、最終合意について口にすることはできない、ということだった。
バーホナル国会副議長「協議では国益が守られたことは確かだ」
モハンマド・レザー・バーホナル国会第一副議長は、イランと西洋諸国の協議を楽観している政治関係者の一人である。同氏は本日、イランと5+1の間で結ばれた合意をめぐって国会議員らが示した批判的意見に答える形で、今回の合意は体制の利益や目的に適うものであると評価し、「協議では国益が守られたことは確かだ」と述べた。
バーホナル氏はまた、交渉団が結んだ合意を批判している議員らに抗議して、「この協議では、一部の者たちの言う、国会の批准を必要とするような条約が結ばれたわけではない。これは〔最終的な〕合意の草案にすぎないのであり、〔今回の〕合意が果たして〔誠実に〕実行されるのかどうか、双方には6ヵ月間の猶予が与えられている」と指摘した。
同氏はまた、「〔‥‥〕われわれは、交渉団にいる親愛なる人々が、〔最高指導者が示した〕あらゆる留意点を守ったと確信している。たとえ不幸なことに、何らかの過ちがあったとしても、イスラーム共和国体制〔の指導部〕はこれに気付き、〔適切に国を〕導くだろう。それゆえ、〔国会にいる〕同志たちは何ら心配する必要はないのである」と付け加えた。
バーホナル氏は発言の中で、西洋との合意は体制の総意による決断であり、西洋が誠実な態度を示さないとしても、それはイラン交渉チームの問題ではない、もしそうなった場合は、イラン側がこれまでの選択を修正する道は残されている、と暗に指摘した。
サーレク議員「西洋との交渉は核問題をめぐってのみ許されている」
国会原理派の中央評議会の委員を務めるアフマド・サーレク氏は、5+1との合意に対して批判的な人物の一人だ。同氏は先の協議について、正確な評価を下すのは時期尚早だと強調している。
サーレク氏は記者らの前で、イランと5+1との間の協議と合意について、次のように述べた。「第11期政権は常に国民と最高指導者の承認を得てきた。‥‥革命最高指導者は、われわれは交渉に反対ではないと仰ったが、しかし師は、西洋との交渉は核問題でのみ許されるとのお考えだった。〔それゆえ〕政府は核問題以外のテーマについて協議を行うことはできない」。
同氏はさらに、「最高指導者も強調していた交渉で重要な点とは、レッドラインを遵守することであり、イラン国民の名誉とイラン・イスラーム共和国の利益を守ることである。合意内容について入手した情報は矛盾した点が多く、今のところこれについてしっかりとした評価を下すことはできない」と付け加えた。
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Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
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( 翻訳者:ペルシア語記事翻訳班 )
( 記事ID:32097 )