■スーダン：米国大統領特使へのビザ発給を拒否
【ハルツーム：アフマド・ヌール】
スーダン政府は、スーダン・南スーダン担当の米国大統領特使であるドナルド・ブース氏へ入国ビザを付与することを拒否した。そして、スーダン政府はアメリカのスーダンに対する役割は二国間の関係正常化関連付けた。
米国大使がエチオピアの首都アディスアベバとカイロを訪れた旅には、もともとハルツームとユバへの訪問も含まれていた。しかしその訪問で協議する議題や、ブース氏が面会を求めた政府要人のことでスーダンとの相違が起こり、スーダン訪問は取りやめになった。
当紙の取材によると「米大使のドナルド・ブース氏のオフィスがスーダン外務省に対し大臣や高官らとの話し合いの場を設けることを要求した。話し合いの目的はスーダンと南スーダンとの協力合意の実施迅速化、ダルフールと南コルドファンにおける治安人道情勢とこの地域に平和をもたらすことである」。
またスーダン高官は当紙に対し、以下の通り述べた。「スーダン政府は、米国政府に対し、米国のいかなる役割もスーダン政府との関係正常化から始めるべきであることを通告した。ブース氏がスーダンとの協議を求めたダルフール問題に関しては国連とアフリカ連合に任されている。それらの組織はタボ・ムベキ前南アフリカ大統領率いるチームにより現在南コルドファンと青ナイルなどの問題を仲介している。その他の問題は国の内政であり公式協議で提起されることは許されない」
スーダン高官は「スーダン政府が依然、米国政府が直近の国連総会に参加するためのビザをウマル・バスィール・スーダン大統領へ付与することを拒否したことは正当ではないとみている、またそれへの納得できる説明を受けていない。スーダンに課されたアメリカの制裁と、またスーダンが依然テロ支援国リストに掲載されていることについて話し合いをしなければならない」と述べた。
スーダン外務省の報道官アブー・バクル・スィッディーク氏は「スーダンにおける安定と平和のための努力において米国が役割を果たすとしたら、スーダン政府との関係正常化にかかっている」と語り「米政府が両国関係を修復させる努力をすることには当然のことだ」と感じていることを述べ「ブース氏がハルツームで議論しようとしたことについてスーダンは態度を留保している」ことを指摘した。次いで彼は「大統領特使」の資格が米国政府によるスーダン政府との接触のための手段として用いる欺まんであることと付け加えた。そして両国の外交的代表の水準を代理大使から大使へと昇格させることを呼びかけた。そして「米国特使のスーダン政府との接触の経験は勇気づけられるものではない。（米国特使の経験は）両国の関係を前進させなかった」と指摘した。
米国大使は任期中の8月に1度ハルツームを訪れている。特使はそっけなく迎えられた。高官は彼と話し合うことを避け、特使は外務次官のラフマトゥッラー・ウスマーン氏と協議しただけだった。
（後略）
本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
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（ 翻訳者:佐々木このみ ）
（ 記事ID:32110 )