社説:シリア、真のカタストロフィ
2013年12月03日付 al-Hayat 紙
イリヤース・ハルフーシュ
イリヤース・ハルフーシュ

■シリア:真のカタストロフィ

【イリヤース・ハルフーシュ】

シリアの戦争の政治的解決の機会や、「ジュネーブ2」に誰が参加し誰が欠席するのか、来年に予定された大統領選挙に誰が立候補し誰がしないのかなどをめぐり、不毛な政治論議が続いている。その一方で、この国を脅かす真の人道的カタストロフィが存在している。この大惨事は、シリアの諸地域・諸都市にふりかかっている破滅・破壊よりも大規模で危険だ。しかし、さらに言わせてもらうならば、このカタストロフィはおそらくこれまで殺された死者の数よりも深刻なものであろう。その死者数はすでに25万人の域に達した。この大惨事は、シリアの子供たちに損害を与えた。彼らがシリアに残ったか、それとも戦争により、難民認定を得るために隣国に避難することを余儀なくされたかは関係ない。彼ら子供たちはシリアの未来だ。他のどの国の子供たちもそうであるように、彼らシリアの子供たちも祖国の未来であり、シリアが多国間において一歩前進した地位を確保することを託された存在なのだ。

それゆえ、数日前に国連難民高等弁務官事務所が配布した報告書の標題は、「シリアの未来:次世代への損害」であったのだ。この報告書は同時に、シリアの子供や青年たちの世代が置かれた状況を示す中で、ある警告を発している。つまり、3年前は「シリア社会」として知られたものを構成してきた人々の間での殺人・追放・盲目的憎悪の雰囲気の中で、彼ら子供たちが成長することが危惧されているのだ。われわれが戦争によりもたらされた人的資源の面での損失規模を計算するなら、この3年間は一つの時代に相当するように思われる。人的資源とは、よりよい明日を建設し、思い描こうとするならば、あらゆる社会がこれを保持しなくてはならないものである。

(後略)



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:辰巳新 )
( 記事ID:32115 )