CHPクルチダルオール党首、アメリカ訪問―ギュレン運動とも接触
2013年12月03日付 Milliyet 紙
ワシントン訪問で、ケマル・クルチダルオールCHP(共和人民党)党首にもっとも多く寄せられた質問は、対イスラエル関係と、ハマスに対する見解であった。クルチダルオール党首は、ハマスに関してCHPは(ハマスの)武装攻撃には賛同しないことを述べたが、ハマスをテロ組織と呼称することは避けた。CHP党首はフェトゥフッラー・ギュレン運動のアメリカ代表とも個人的に朝食の席を設けた。
クルチダルオール党首のワシントン訪問で最も多く寄せられた質問の一つは、イスラエルとの関係であった。月曜日の夕方、クルチダルオール党首は、ジョージタウンにある市内有数のレストラン、カフェ・ミラノで、3名のユダヤ系アメリカ人組織の代表と、アメリカ合衆国下院外交委員のアラン・マコヴスキー氏と面会し、トルコとイスラエルの関係を改善する必要があると語った。しかし火曜日にアメリカ進歩センター(CAP)で行われた会議で、ハマスに関するマコヴスキー氏の問いに答弁したクルチダルオール党首は、ハマスをテロ組織と呼称することを避けた。また火曜日の朝にはフェトゥフッラー・ギュレン運動のアメリカでの傘下組織であるトルコ・アメリカ協会(TAA)の代表らとTAA事務所で面会し、一緒に朝食をすごした。
■カフェ・ミラノ会談
クルチダルオール党首のカフェ・ミラノでの食事会に、アメリカでも有数のユダヤ教徒団体であるアメリカ・ユダヤ委員会(AJC)、軍事戦略を専門とする安全保障問題ユダヤ研究所 (JINSA)、ニューヨークに拠点を構える名誉毀損防止同盟 (ADL) の代表らが同席した。会食の場には、ユダヤ教徒団体のいずれとも関係をもたないが、イスラエル問題における難しい事情から、2月28日のクーデター時にトルコにおいて何度も名前が報じられ、ネジメッティン・エルバカン元首相がクーデターの黒幕の一人と呼んだマコヴスキー氏もいた。この会食で、クルチダルオール党首はトルコーイスラエル関係について二国間の関係の発展と問題解決が必要と見解を述べた一方、イスラエルにも中東和平に貢献するために課せられた責任があると指摘した。
■アメリカ進歩センター(CAP)での非公開会議
昨日、クルチダルオール党首がオバマ政権に近いアメリカ進歩センター(CAP)で行った非公開会議では、イスラエル問題が取り上げられた。この会議には、ゲズィ事件以降AKP政権に対して厳しい批判を向けていることで知られる市内在住のトルコ研究者が招待されており、マコヴスキー氏がクルチダルオール党首にハマスに関する見解を尋ねた。会議に関して本紙の取材に答えたCHP執行部は、クルチダルオール党首がハマスをテロ組織と呼称することを避けたことを特に強調した。
■あらゆるサイドからの参加
会議には、オバマ政権に全く影響を持たない、市の1990年代の政治を代表するマコヴスキー氏のような人物の他に、最近AKP寄りの新聞の標的となっている外交委員会のスティーヴン・クック氏、ジャーマン・マーシャル基金からKPに近いジョシュア・ウォーカー氏といったワシントンで近年活躍する若手も参加した。
■ギュレン運動と接触
クルチダルオール党首のワシントン訪問において最も話題となったことの一つが、CHP党首がフェトフッラー・ギュレン運動の代表者らと面会するかどうかということだった。クルチダルオール党首は日曜日、トルコ系アメリカ人の代表的な各組織と面会したが、ギュレンに近い組織とは一切会わなかった。しかし火曜の朝、TAA幹部とTAA事務所で面会し、朝食を共にした。
クルチダルオール党首はその前日、ブルッキングス研究所でスピーチを行った後、ギュレン運動に対する見解について質問を受けたが、これについて返答を避けた。CHPの幹部は、クルチダルオール党首が質問に答えなかった理由について「あの質問を飛ばした」と述べるにとどまった。
■トルコ・アメリカ協会(TAA)の記者会見
クルチダルオール党首とギュレン運動に近い組織の代表者の会談が実現した後、TAAは会談について記者会見を行った。会談は顔合わせと歓談のものであったと述べ、クルチダルオール党首の他に、ファールク・ローオール副党首、セズギン・タンルクル副党首、ファーイク・オズトラク副党首、エンギン・アルタイ会派副代表、アイトゥン・チュライ議員、カメル・ゲンチ議員、アイカン・エルデミル議員が参加したことが述べられた。TAA側の参加者は、ファールク・タバンTAA会長、同じ傘下の協会から、中部大西洋沿岸トルコ・アメリカ協会会長のマフムト・イェテル氏、ユーラシア・アメリカ人ターコイズ評議会(TCAE)のケマル・オクスズ会長、トルコ系アメリカ人ビジネスネットワーク(TABN)のタルハ・サラチ会長ら、各団体のトップらが代表していたことが述べられた。
■「嬉しく思う」
TAAは、朝食会でクルチダルオール党首と同席者に彼らがアメリカで行ってきた活動について説明し、またクルチダルオール党首は、党の外交展望やトルコで異なる社会層が手を取りはじめていること、今回のワシントン訪問に関連する感想について述べたことを明らかにした。傘下のもとで、アメリカ全土に広がっている240団体を抱えるTAAは、「これまでお迎えしたトルコ政界を代表する多くの方々と同様、ケマル・クルチダルオール氏とCHP党員をお迎えできたことをうれしく思います。忙しいスケジュールの合間に我々の本部にも足を運んでいただき感謝しています」と述べた。
■時事問題はなし
CHPの情報では、会談はとても和やかに行われ、デルスハーネ議論のように、ギュレン運動が敏感になる最近の政治については朝食の席ではあまり触れられなかったと述べられた。クルチダルオール党首はブルッキングス研究所でのスピーチも含め、以前行った見解発表でも、政府が教育制度の包括的改革を行わないうちは、デルスハーネの閉鎖に反対であると表明している。
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( 翻訳者:小幡あい )
( 記事ID:32159 )