シリア:2013年優秀作品に選ばれたアラブを写した写真
2013年12月10日付 al-Hayat 紙
シリア危機(ロイター:ムザッファル・サルマーン)
■2013年優秀作品に選ばれたアラブを写した写真
【ベイルート:本紙】
今年(2013年)、多くのアラブ諸国で事態が激化する中、「ロイター」や「AFP」その他の報道通信社のカメラマンたちは、特にシリアの悲劇やエジプトの危機を写真に収めることに尽力してきた。
2013年の優秀作品として選ばれた多くの写真が、アラブ世界への慰めと哀悼の意をつづった写真リストとして収められた。カメラマンの中には、アラブ世界は未来に向かう過程で「アラブの春の陣痛」を経験しており、(その先には)より良い未来が期待されていると説明する者もいた。
今年の優秀写真として、「ロイター」と「AFP」から出された写真リストの中にあった23枚の写真は、サウジアラビア、シリア、エジプト、パレスチナ、ソマリア、バハレーン、ヨルダンで撮られたものだ。
来年は、アラブの国と世界に約束された、より良い未来を象徴するものが描かれることを期待したい。
<シリアで活動するロイター所属のカメラマン、ムザッファル・サルマーン氏>
アレッポでは数か月前に戦争が始まりました。私はシリアの人々の日々の苦しみをカメラに収めようと努めていました。そうしたもの(市民の日々の苦しみ)を写した写真は、極わずかにしか見られません。他方で、私たちは最前線で戦う戦闘員らの写真は毎日何十枚と目にします。
「ロイター」通信社との仕事を始めた後、わたしはダマスカスを出てベイルートへ、そしてトルコのイスタンブールに移ることを余儀なくされました。その後ようやくアレッポに入ることができたのです。
この写真(本記事掲載の写真)は、私がアレッポで日々を過ごすようになって10日が過ぎた頃に撮ったものです。私は記者専用の住宅に住んでおり、何枚か写真を送っていました。その日、突然家が揺れたので、私は自分たちのいる建物が空爆を受けたのかと思いました。空爆のあった場所は100メートルほど離れた場所で、急いでその場に駆けつけると、そこは炎で燃え上がり、再び空爆があるのではないかという恐怖が走っていました。私は写真を撮り始めました。その数分後、一人の男性が泣きながら自身の衣服を引き裂き、その友人たちが彼をおさえようとしているのを見ました。その後、私は空爆で破壊された家はこの男性のものだったことを彼らから聞きました。事が起きたとき、男性は家の外にいました。そして彼の二人の息子は、空爆の結果命を落としたのです。
(後略)
本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
*訳注:原文へのリンクから他の22枚の写真をご覧いただけます。
この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る
( 翻訳者:辰巳新 )
( 記事ID:32246 )