引渡し前のオマル氏
■ドゥルーズ派、イスラエルでの兵役義務に抵抗:オマル・サアド氏の事件
【ロンドン:ファーティナ・ダジャーニー、ナザレ:本紙】
働き盛りの青年で、パレスチナのアラブであるという身元に何の迷いもないドゥルーズ信徒で、敏感な音楽家であるウマル・サアド氏が、イスラエルで彼の宗派に義務付けられた兵役を拒否した。彼はこの拒否の代償を理解していた。彼は昨日(4日)、ティベリアの徴兵局の前に「プラワー計画(訳注:ネゲブ砂漠でのベドウィン村落の撤去・集団移住についての法律)は続かない」と書かれた赤い上着を着て出頭した。これは、兵役義務への良心的理由による拒否を確認するためである。彼は、その拒否が軍事刑務所を意味すると承知の上だった。
徴兵局の目の前では、数十人のドゥルーズ派の指導者、ウマル氏の家族、ウマル氏が青年組織に加入していた共産党の幹部らがデモを行った。彼らはドゥルーズ派とユダヤ教徒のすべての兵役拒否者を称えるスローガンを掲げた。さらに、ドゥルーズ派の青年の徴兵は、単一の人民の子弟の間にくさびを打ち込む目的で科されたものだと強調した。警察はデモに参加した青年たちの一人を数時間にわたり逮捕し、同様にオマル青年の父親を尋問のために呼び出した。
出頭前に、ウマル氏は3人の兄弟とともに徴兵局の前で楽器を用い、人道と平和のための曲を演奏し、こう語った。「私は喜びと自由のために演奏する。そして入植の停止、パレスチナから占領者が出ていくこと、エルサレムを首都とするパレスチナ独立国の樹立、刑務所の全ての捕虜たちの解放、そして難民や移住者たちの故郷への帰還の上に成り立つ公正な平和のために」。そして彼は一年前にベンヤミン・ネタニヤフ首相とその防衛大臣に送付した手紙を読んだ。彼はその手紙の中で、徴兵前の医療検査への「良心的・原則的な理由」による拒否を宣言していた。
(後略)
本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
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( 翻訳者:山岡麻子 )
( 記事ID:32278 )