麻薬対策本部長代理、植物性向精神薬のイラン侵入間近を警告
【社会部:マルヤム・ハッバーズ】今のところ「影」のような状態だが、しかし間もなく、その「本体」が姿を現すだろう。世界の主要麻薬生産者らは最近、第四世代の麻薬を市場に投入したが、そう遠くない将来、それはイランの消費市場にも進出することが予想されている。
これは深刻な警告だ。問題となっているのは新たな種類の向精神薬であり、麻薬対策本部はその副作用を警告している。麻薬対策本部長代理のターハー・ターヘリー氏は、ファールス通信に次のように述べている。
植物由来で、元来薬として用いられてきたこれらの第4世代の向精神薬の最も重要な影響は、偽りの快感を引き起こすことである。これらはいまだイランに入り込んではいないが、しかしその危険を知らせるサイレンは、世界中で鳴り響いており、それゆえ我々もこれに注意する必要がある。
向精神薬に「植物性」という語が付いているために、危険性がないのではないかとの疑いが生じているが、しかし麻薬対策副本部長(麻薬需要抑制・国民参加担当)によると、NPS〔※New psychoactive substances(新精神作用物質)の略。いわゆる「脱法ドラッグ」のこと〕の名で呼ばれるこれらの新たな向精神薬は、カナビスと同じか、それ以上の副作用をもたらすという。
カナビスとは大麻草の化合物のことであり、大麻草を乾燥させた花や葉からはマリファナが、樹脂からはハッシッシ、ないしバングが作られる。
バーバク・ディーンパラスト氏がジャーメ・ジャム紙に説明したところでは、各種の向精神薬が作られ、世界中に流通するようになった西暦90年代初頭以来、これまでにその成分や製造プロセスには変化が生じ、消費者により破壊的な効果をもつ新たな薬が、時折市場に出回るようになったという。
向精神薬が初めて消費市場に持ち込まれたとき、その特徴と言えば覚醒作用だった。つまり、エネルギーや感覚、そして肉体活動が高まると同時に、疲労感が減り、空腹が抑えられるといった効果を有していた。その後、エネルギーや感覚、心臓の鼓動、呼吸速度や反応力を抑え、一種の夢想状態へと消費者を誘導させる、鎮静効果のある向精神薬が作られるようになった。
さらにその後、幻覚作用のある薬が作られるようになる。これは、消費者の性格や理性、視覚、そして聴覚に変化や錯乱をもたらし、再び人を夢想状態に至らせるものであった。
そして今、ディーンパラスト氏が強調するところでは、植物由来の新世代の向精神薬(これは2014年の〔国連〕麻薬委員会会議の中心テーマとなる予定だ)が出現しているという。それはその消費者にさまざまな快楽を約束するものの、しかし肉体や精神に多くの問題をもたらし、重度の中毒症状を引き起こす。さらに世界的な報告によると、一部の原因不明の自殺も、こうした麻薬の消費と関係している可能性があるとされる。
同氏によれば、世界のあらゆる場所でこの麻薬への対抗策を講じることは困難だという。というのも、通常これらの麻薬は合法的に、例えばバス・ソルトや植物性の食品、あるいは合法的な清涼剤として売買されたり、植物性の物質と組み合わされて、「スパイス・ゴールド」「ブラック・スネーク」「永遠の喜び」「ミスター笑顔」「スパイス・ダイヤモンド」「月の岩」などのまやかしの商品名で、市場で売られたりしているためだ。
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( 翻訳者:8410157 )
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