トルコの国民食クルファスリエ―もう高くなりすぎて、食べられない!
2014年01月05日付 Hurriyet 紙
トルコ人が最も消費している食品の一つである乾燥インゲン豆に、信じられない価格上昇が起きている。国外での干ばつやトルコの作付面積の不足により、たったの最近3か月で59%もの価格上昇を見せた。1キロ12リラ(約576円)まで上昇した乾燥インゲン豆は、枝肉のキロ当たり16リラ(約769円)に近づいた。
トルコ農家協会(TZD)会長イブラヒム・イェトキン氏は、「この3か月、アルゼンチンで起きた干ばつや中国の豪雨、トルコの生産レベルの低下により、乾燥インゲン豆の価格は59%上昇しました。値上げによりキロ当たり10~12リラになった乾燥インゲン豆は、キロ当たり平均16リラの枝肉に近づきました」と述べた。
発表を行ったイェトキン会長は、トルコで年間約9万トンの乾燥インゲン豆が生産されているのに対し、平均して13万トンが消費されていると述べた。需要を完全に満たせないため乾燥インゲン豆の輸入が行われていると述べ、この3か月、アルゼンチンで起きた干ばつや中国の豪雨、トルコの生産レベルの低下により価格が59%上昇したと伝えた。また、一キロ3.5~4リラ(約192円)で売られていた乾燥インゲン豆が、最近、卸売価格にして一キロ8~9リラ(約432円)まで上昇したと強調し、乾燥インゲン豆の最も重要な生産国であるアルゼンチンや中国で起きている問題により、別の生産国であるキルギスに申し込みが行われていると説明した。
■17リラに到達する可能性も
乾燥インゲン豆の59%もの価格上昇は、生産低下に一因があると指摘したイェトキン会長は、「ここのところの状況を受けて農家の方々は、補助金を得たためトウモロコシやコムギ、ヒマワリの生産を選び、乾燥インゲン豆の生産量は急速に落ちました。農家が乾燥インゲン豆を生産するように奨励されるべきです」と述べた。卸売価格がキロ当たり8~9リラの乾燥インゲン豆の小売価格が10~12リラの間で変動していると述べたイェトキン会長は、次のようにコメントした。
「国内の乾燥インゲン豆の需要が満たされていないので輸入していますが、生産地は着実に縮小しています。生産地の縮小により、需要と供給の関係で価格が変動しています。このままいくと乾燥インゲン豆の価格はさらに上昇するでしょうし、17リラ(約817円)に到達するかもしれません。この状況は完全に、需要と供給のバランスに関係しているため、価格上昇は避けられないようです。」
■もはや肉類との価格競争
同会長は、プロテインが豊富で肉類に近い栄養価を含むため「貧者の肉」としても知られている乾燥インゲン豆は、特にベジタリアンにとってたいへん貴重な栄養素であると強調し、次のように述べた。
「肉類がないとき、肉に栄養価が等しい豆科に属する乾燥インゲン豆で、プロテインの必要性を補えます。ですが、値上げとともにキロ当たりの価格が10~12リラになった乾燥インゲン豆は、トルコ商工会議所・株式取引所連合商取引情報システムのデー タによると、平均してキロ当たり16リラである枝肉に近づきました。肉類を買う余裕のない人は、豆類を食べていました。現在豆類の中で最も消費されているのは乾燥インゲン豆ですが、肉並みの価格で売られるなら貧しい人々は何を食べるというのですか?乾燥インゲン豆のこの推移に「待った」をかけなければなりませんし、急速に問題が大きくならないように解決策を練って、[価格上昇を]繰り返さないための対策が講じられなければなりません。」
■農産物公社が市場のバランスを回復できる
この状況下、生産者が利益を得ているように見えるが、実際には卸売業者が利益を得て消費者が損をしていると説明し、仲買人が生産せずに退蔵し、市場に流さず産品を高く売っていると述べた。豆類部門では、在庫として保持することが支配的になっていると述べたイェトキン会長は、次のように話した。
「品物が追いつかないと言って業者は手元の品を出しません。この状況で乾燥インゲン豆のような多くの生産物の価格は、市場に十分に存在しないため上昇します。過去にも、米の生産が消費に追いついていませんでした。米の価格が上昇した際、農産物公社(TMO)が間に入って輸入を決め、需要と供給のバランスを守り、こうして価格が落ちました。農産物公社がまた、乾燥インゲン豆の買い手となれば、市場のバランスを回復することができます。ところがこの作物は不安定で、業者の手にあり在庫が市場に少しずつ流れています。これも価格を上昇させています。」
本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
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( 翻訳者:小川まどか )
( 記事ID:32496 )