CNNトルコで放送された5N1Kに出演したセラハッティン・デミルタシュ平和民主党(BDP)共同党首は最近の情勢に関し重要な見解を述べた。
デミルタシュ党首はパリでの殺人(註:2013年1月にPKKパリ事務所でPKK女性幹部3人が殺害された事件)について「首相が2012年11月に行った会見と一致する文書と録音が問題になっている。首相がその頃行った説明ではフランスにPKKの重要人物を引き渡すよう求めたが、フランスは回答しなかったと言っていた。 録音と文書でも10月、11月にサキネ・ジャンスズがフランスへ来たことが確認され、このことについて行動に移ったと表現されている。
首相が公式に自身の口から「我々はその当時行動を起こしていた」と言った時期に一致するアナウンスや文書が広まっている。これら全ては疑念を国家諜報機構 (MİT)へ向けさせている。MİTの説明は我々にとっては満足できるものではない。録音が本物であることは我々が確認した。先に挙げた人物の声をよく知る人たちが、これは人の声だと証言した。発行された文書についてもMİTの文書であるのか、大きな疑問が残る」と述べた。
■「この12年、AKPの手により教団の協力で生み出された並行した司法メカニズムである」
デミルタシュ党首はCNNトルコで放送された5N1Kに出演し最近の情勢について述べた。12月17日の一斉捜査に関して、「全てAKPに向けられた捜査と言うことはできない。リークされた文書や情報がある。疑惑が本当であるという、社会に大きな確信をもたらした。この確信をなくすためには司法的な捜査や裁判が必要だ。独立した中立の司法メカニズムが必要である。独立した、中立な司法を実行しているかを考えてみても、この部分でも我々の心は落ち着かない。なぜならこの司法メカニズムは12年もの間AKPの手により教団の協力で生み出された並行した司法メカニズムなのだから」と述べた。
■「首相も今日告白した通り」
デミルタシュ党首は「首相も今日告白したように、教団から指示された、特別な権限を持った裁判所で現在も仕事をしている裁判官や検事は特別にAKPから権限を与えられたのだ。全員がそうだと言っている訳ではない。司法組織で仕事をしている、真に良心で動いている何千の裁判官、検事がいる。彼らを侮辱するために言っているのではない。しかしもはやこの司法メカニズムは信じられるもの、公正を広めるものからはほど遠い。デルスハーネと共に始まった教団はAKPの緊張のもう一コマを見ているようなものだ。実行されている捜査がきれいな手による捜査であり、汚職や収賄を 明らかにするために行われていると言うためには表に出た情報や文書は純粋なものである必要がある。申し訳ないが我々BDPとしては問題の表と裏を見て、皆さんに見せたいと考えている」と話した。
■和平プロセスは選挙の後に先送りされた
デミルタシュ党首はアブドュッラー・オジャランが12月17日の捜査をどのように見ているのかについて次のように答えた。「和平プロセスは待たされている。後退や前進といったことではない。しかし選挙の直後にはこの問題について両者が話し合う重要な段階に移るだろう。この説明でオジャランはクーデターの考えを支持しないこと、火事に酸素やガソリンを注ぐつもりはないと言い、もとより和平プロセスを利用しクーデターを計画していた者達へはっきりとメッセージを送った。クーデターを計画する者に対し、PKKは利用されえないこと、PKKがまた武器を持ちトルコの混沌を深めさせることはしないということをこのようにして明らかにした」と話した。
■「CHPはクルド問題を解決することに関してはAKPより遅れている」
和平プロセスに関してデミルタシュ党首は「共和人民党はクルド問題解決のための現在我々も関わっているプロセスを前進させることに関しAKP政権より大きく遅れていると考えている。AKP政権がなくなれば、彼らの後に成立する政権と我々が再度交渉の場につくまで、我々は政治的な闘いを実行する状況にある。これはもちろん1つの選択肢だ。AKP政権が国民の力でなくなれば、そうすることを我々は提案している。(AKP政権の)代わりに平和民主党(BDP)と人民民主党(HDP)の連立政権が発足するよう努めるだろう。現行の野党の中ではクルド問題解決の平和的方法を見ることができない。状況が整えば和平プロセスは完全に終了すると信じている」と述べた。
■「パリでの殺人に関する録音が本物であることは確認した」
パリでの殺人に関して明らかになった録音に関してデミルタシュ党首は「録音が本物であることは我々が確認した。名前の出た人物の声をよく知る人達が声を確認したと言っている。広まっている文書に関してもMİTの文書であるか大きな疑問が残る。我々はこの点に関し議会に質問書を提出し、必要な調査が行われることを求めている。我々の仲間はMİTや首相府へ申請しこの文書に関する回答を求めている」と述べた。
■「MİTが行った公式会見は我々を満足させなかった」
パリでの殺人に関しMITが行った会見についてデミルタシュ党首は「MİTが行った公式会見では我々は満足できない。逆に新たなほころびが出てくると簡単に言うことができる。文書が偽物であるという説明はない。我々はこの問題を追い続ける」と述べた。
■「首相の行った会見に一致する文書や録音が焦点だ」
デミルタシュ党首は「首相が2012年11月に行った会見と一致する文書や音声が問題だ。首相はその頃行った説明ではフランスにPKKの重要人物を引き渡すよう求めたが、フランスは回答しなかったと言っていた。録音と文書でも10月、11月にサキネ・ジャンスズがフランスへ行ったことが確認され、このことについて行動に移ったとされている。首相が公式に自身の口から「我々はその当時行動を起こしていた」と言った時期に一致するアナウンスや文書が広まっている。これらは全ての疑念をMİTへ向けさせている。MİTの説明は我々にとっては納得いくものではない。首相府が沈黙していることも受け入れられるものではない。フランスの検察や捜査を進めている人たちはトルコから十分な情報や文書が得られなかったと言い、トルコの検察はフランスから十分な情報や文書が得られなかったと言っている。このような事態にあって国家間の利益の駆け引きにより3人のクルド女性政治家の魂、人生が駆け引きのネタにされている。真ん中に醜いテーブルがある。トルコ、フランス、またある面ではドイツもこの汚いゲームに参加していると分かる」と話した。
■「クーデター計画を立てた者にPKKが利用されることはない」
デミルタシュ党首はアブドュッラー・オジャランが12月17日の一斉捜査をどのように見ているのかについての質問に次のように答えた。「和平プロセスは待たされている。後退や前進といったことではない。クーデターを計する画者に対し、PKKは利用されえないことを、PKKがまた武器を持ちトルコの混沌を深めさせることはしないということをこのように明らかにした」と話した。
■「この教団に対し魔女狩りをすべきではない」
パラレル政府という主張についてデミルタシュ党首は「パラレル政府の出現にはAKPと教団との同盟、協力がある。現在その協力関係は終わった。そのため対立がある。この対立の中で残念ながらAKPは自身を被害者と見せようとしている。この教団に対し魔女狩りを始めてはならない。それは間違いである」と述べた。
■「ウルデレ・ファイルは閉じたのか」
ウルデレ・ファイルは閉じたのかという質問に対しデミルタシュ党首は以下のように答えた。「軍検察は捜査で全ての罪を確認したが判決では、行われたことは罪ではないとした。34人が戦闘機によってばらばらにされたのではなくても、歩道を歩いていたら自転車がぶつかってきてあなたが怪我をした場合、事故の裁判で自転車を漕いでいた者はこの国の法によって罪人になるだろう。私には34人の子供はクルド人であり、軍とクルド人の間の問題がいまだ解決されていないがゆえに軍検察は軍やトルコ共和国政府の手をクルド人に対し緩めさせないためにこの大量殺人を隠ぺいしたと思われる。しかし歴史や良心がこのファイルを閉じることはない。」
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( 翻訳者:小野里ゆみ )
( 記事ID:32597 )