イラク:ヌジャイフィは警告する「陰謀がイスラームをシンボルにした」
2014年01月16日付 al-Hayat 紙

■イラク:ヌジャイフィは警告する「陰謀がイスラームをシンボルにした」

【バグダード:ウマル・サッタール】

アンバール県議会は15日、治安部隊がダーイシュとの戦闘を行う区域を縮小したと発表した。この措置はファッルージャとサクラーウィーヤに戦闘の範囲を限定するためである。

これに関して、ウサーマ・ヌジャイフィ国会議長は警告を発した。それは、地域や世界にテロを広めるためにイスラームを隠れみのにしている「陰謀」に警戒せよ、という内容であった。

アンバール県議会議員のナフラ・ラーウィー氏は本紙に対し以下のように語った。「アンバール県での軍事行動は徐々に後退し始めました。最も激しい戦闘は現在サクラーウィーヤ地区で起きており、ファッルージャ市では断続的な戦いが起きています」

さらに付け加えてこう話した。「難民の一家はアンバール県に戻り始めていますし、生活も元通りになり始めています。しかし一部の住宅地を引き続き襲う砲弾の着弾に対する苦情はいまだあります。私たちは治安部隊に対して、慎重さを心がけるように呼びかけるつもりです。特にテロリストたちが家屋に潜伏しているファッルージャ地区の治安部隊には慎重であるよう警告します」

ラーウィー氏はファッルージャでの戦闘を政治的に解決できる可能性は低いと考えており、以下のように述べた。「テロ集団は市から去りたいとは望んでいません。奴らの望みは破壊と荒廃以外になく、市民を人間の盾にしようとしているのです」

さらに彼女は続けた。「市には少数ですがテロリストのダーイシュを支援する市民がおります。ダーイシュはファッルージャ市に自分たちの世話をする人々を見いだしていますが、しかし、ファッルージャの人々の大半は、可能な限り早いうちにテロ組織の支配から逃れたいと望んでいます」

国防省は、空軍司令部がアンバール県において230回以上の出撃を実施したことを公表した。その出撃の間に「アル=カーイダ」と「イラクとシャームのイスラーム国」の2組織の標的を攻撃した。

国防省の声明は以下のように述べている。「空軍の戦闘機は、テロ組織アル=カーイダとダーイシュの30カ所を標的に235回の効果的な出撃を実行した。アンバール県で軍事作戦が始まって以来、空軍は正確な諜報情報に基づき、それらの組織の監視後に攻撃を行っている」

一方、ウサーマ・ヌジャイフィ国会議長は、気高き預言者ムハンマドの生誕を祝う祝典の際に次のような発言をした。「現在そして将来、大きな陰謀がわれわれを狙っている。この陰謀の最も危険な要素は、イスラームを隠れみのとすることだ。イスラームは本来、陰謀とは無関係なのだ」さらに以下のように明言した。「このことは私たちに相互協力と団結を呼びかけている。もしわれわれがそのように行動しなければ、われわれの祖国は風と共に消え去り、灰燼(かいじん)に帰すだろう」

同議長は、さらに彼は付け加えた。「イラクは諸外国よりも、宗派主義や個人主義、派閥主義からの脱却について自覚的である。なぜなら、かつて宗派主義の火に焼かれたからだ」

そして次のように補足した。「イラクを宗派主義の危険から救うことは、過去10年間に起きたことの再検討なしには実現しないだろう。つまり、国民的な連携やその実現の手段に関するすべての問題を再検討するということである」彼の望みは「排除政策、周縁化、恣意(しい)的な逮捕、罪のない人々を標的とすること、そして当事者の間に深い溝を作ること―すべての当事者が、以上の事柄を終焉(しゅうえん)させるために行動すること」なのだ。

その他に彼はこのような要求を述べた。「宗派主義を広め扇動することに歯止めをかけるほか、街頭の軍事化のとりやめ、つまりわれわれの街を戦いに対する防壁や塹壕(ざんごう)に作り替え、テロリストと正当な権利を持って要求を行う人を混同しないようにしようではないか」

また彼は以下のことの必要性を強調した。それはすなわち「自治区と県の間で連邦政権との協力関係を組織すること、憲法上の権限を認め、人々の利益になるように憲法上の権限を与えることが必要である。その理由は、テロの源を断つという目的のため、国内的な努力と国際的な努力を支援するよう呼びかける」。



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:岸本聖美 )
( 記事ID:32603 )