ダマスカス近郊ダーリヤーでの破壊の跡(ロイター)
■ラヴロフ氏はシリア反体制派を激しく攻撃し、ムアッレム氏はアレッポ「治安計画」を提示
【モスクワ:ラーイド・ジャブル】
ロシアのセルゲイ・ラヴロフ外相は、シリア反体制派を「シリアの将来を決める会議の準備に携わる者としてはきわめて無責任である」と激しく攻撃し、またヤルムーク・パレスチナ難民キャンプやその他シリア諸地域の住民における人道にもとる惨状について直接言及する代わりに、惨状を口実にした外国軍事介入を一切許してはならないと述べた。一方、アレッポ市の惨状を打開するための「治安計画」を携えてモスクワに乗り込んでいるシリアのワリード・ムアッリム外相は、同計画の開始予定時刻をロシアが設定するのを待っているところだと述べた。
来週水曜日(22日)に、モスクワで昨日(17日)行われたロシア・シリア外相会談より大規模な「ジュネーヴ2」会議の開催が予定されており、現在その準備が進められている。ラヴロフ・ロシア外相は「シリア反体制勢力の『シリア国民連合』が『ジュネーヴ2』会議へ参加するかどうかの決定をいまだに遅らせているのには納得がいかない」として、シリア反体制派を激しく攻撃し、さらに「会議参加の決定が遅れているのは、シリアの国家と国民の将来を決める会議への参加の準備が十分に整っていないからではなく、シリア反体制グループそれぞれが外国の資金的スポンサーの援助を受けており、それゆえの対立が反体制グループ間にあることが遅れの主原因である」と述べた。同外相はさらに続けて「シリア政府がずっと前に『ジュネーヴ2』への参加を表明して使節団を組織しているのに対して、シリア反体制派─特にいわゆる「シリア国民連合」─側は会議参加に向けて同じように取り組んでこなかったばかりか、いまも会議を延期に追い込もうとしており、そのことにロシアは危惧を感じている」と述べた。
ロシア外相は「国際政治を支配する諸勢力がジュネーヴ会議への召集問題でのやり取りに関与している」と非難し「その一部勢力は『シリア国民連合』がシリア国民の唯一の代表として振る舞い、シリア国内での民族抵抗やその他多くのグループの存在を無視してかかるのを望んでさえいる」と述べた。同外相は、シリア国内で活動している反体制派を切り捨てるのは不可能だとした上で「『シリア国民連合』は明らかに国外移住シリア人たちを含む組織であり、そのことが著しい懸念をかき立てる要因となっている」と述べ、そのことは「『ジュネーヴ2』の開催に向けて協力するわれわれが『シリア国民連合』に会議への参加を懸命に説得しているときに、同連合は民族解放をめざすその他シリア反体制勢力の存在を無視している(ゆえに、反政府勢力側の一致した会議参加には至らない)」という事態に明白であると指摘した。
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Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
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( 翻訳者:栗原利枝 )
( 記事ID:32619 )