焼けただれた心:酸かけ犯への刑罰をめぐる問題を考える(下)
2014年01月14日付 Iran 紙
デフガーニー=サーニージ氏によると、酸かけ犯罪は社会の心理に影響を及ぼし、社会の構成員らに対して精神的なショックを与えることから、もし被害者がこうした状況下で〔キサース刑の免除に〕同意したとしても、酸かけ犯は裁判所の判決によって、一般的側面からの刑罰が科せられることになるという。この場合、被告は社会の秩序・安全を紊乱したことを理由に、2~5年の禁錮刑が科せられ、もし被害者が望めば、ディーヤ(賠償金)の支払いが命じられる。ディーヤが支払われない場合は、被告はイスラーム刑法第696条により、禁錮刑に処せられることになっている。
酸かけ行為を減らすためには
さて、ではこの恐ろしい犯罪を社会で減らすためには、どうしたら良いだろうか。どのようなことがこうした心痛む事件の発生を防ぎ、酸かけ行為の被害者たちの傷ついた心を癒すことができるだろうか。
社会問題の専門家らは判決が執行され、ディーヤが支払われ、短期間の禁錮刑が行われたとしても、被害者らが抱える諸問題が終わることはないと指摘する。それゆえ酸かけ法を再度見直し、民事責任法第一条によりつつ、少なくとも酸かけ犯罪の犠牲者たちが、法外な治療費を支払うことができるようにするべきだ、というのである。
審理と公開での刑執行の迅速化
デフガーニー=サーニージ氏は、こうした不快な事件が起こる原因の一つに、〔裁判所での事件の〕審理ならびに公開での刑罰〔の執行〕のスピード〔の遅さ〕があると指摘する。「裁判所は特別に、順番を飛ばしてでも、特別法廷にて、経験豊富な判事の下、酸かけ事件の審理を行い、スピード感をもって、可能な限り速やかに犯罪者をその行為に相応しい罰で報いるべきである。そうすることで、他への教訓となるのだ」。
法律の専門家である同氏はさらに、次のように指摘する。
この犯罪に対しては、一般的側面から最大限の刑罰を科すべきである〔=一般の傷害事件として許される最大の刑罰を科すべきである〕。もし被害者が〔加害者に対するキサース刑適用を諦めることに〕同意したとしても、犯罪者が容易に正義の鉄槌から逃れるようなことがないようにしなければならない。また、判決の執行は公開で行うことも、酸かけ事件の抑止に効果があるだろう。
こうした事件を予防・抑止するのに効果のあるもう一つの施策として、この問題に関する国営放送や新聞などを通じた広報を指摘することができる。これらのメディアは犯罪者に対して重罰が下されたことをことさら取り上げることで、こうした行為の予防につながる可能性がある。
犯罪学者らは、その他の刑罰を利用することも、酸かけ事件の抑止に効果があるかもしれないと指摘する。例えば、2年から5年の禁錮刑の代わりに、もっと長期の禁錮刑を科すことで、抑止効果が上がる可能性がある。
また、法律を遵守する市民としての文化を教育し、犯罪的行為とは何かについて教えることも、こうした異常な行動がもたらす害悪を人々に周知させるのに、効果があるだろう。
本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
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( 翻訳者:大麻高校出身者の会 )
( 記事ID:32622 )