・金融業界
「ドル高騰が続けば景気停滞は避けられない。」
業界の大手銀行のうちの一つの総裁は、ドル為替が2.30となった場合にトルコで取引がすぐには滞らないものの、新しいバランスが作られるだろうと述べた。さらに、TLの目減りを鑑みるとトルコが比較される発展途上国の国々と大差がないと話し、「最近六ヶ月でTLはドルに対して14.6%、アルゼンチンで20%、インドネシアで16%の目減りがあった。つまりこの問題は、トルコ特有のものではない。トルコにおいて金利と平価の切り下げから影響を受ける業界はいくつもある。中央銀行からの金利の切り上げを待たなければならない」と述べた。
業界のある幹部もレートの圧力が続いている状況ではインフレーションにおいて重要な上昇が起こり、このことも経済の停滞への道を開くことになると述べた。また「トルコにおいて個人が為替債務者となることは禁じられている。そうでなければ大きな危機が起きていた。しかしながら企業の観点から外部から為替債務を負い、利益を得られない会社において問題が発生するだろう。会社の利益が損なわれることになる。一般的な傾向として経済停滞につな がる」というように話した。
・自動車業界
「人出が減り、仕事が減少している。」
ルノー・マイスのイブラヒム・アイバル社長は為替レートの上昇に伴って年明けから今まで消費者の購買の減退が明らかになっていると述べた。アイバル社長は「上昇は消費者に影響を与えた。一部の消費者の間にはまだ一定の需要があります。しかしながら週の間ショールームではとにかく人出が減っています。週の終わりには少し動きがあります」と述べた。消費者は2014年のモデルにおける値段の違いのために2013年のモデルに関心を示していること、しかしこの反応は活発なものではないとも述べたアイバル社長は「12月に13万台を売り上げたようだ。普通、1月に売上は12月の4分の1程度に推移する。今月は4万 3000台あたりに売上が達しなければならないが、3万台あたりにとどまる可能性があると考えている」と話した。
自動車販売責任者のハイリ・エルジェ氏は為替レートが原因の問題の様相は2月に2014年モデルが市場に出回ってから明らかになるだろうと述べ「業界では誰の顔も笑っていない。この先のことを考えるのがつらい」という表現を用いた。
・旅行業界
「信頼のある状況でなければならない。」
VIP旅行のジェイラン・ペリンチジオールCEOは「経済における緊張が人々の長期休暇の計画に影響を与えている。またユーロの上昇はユーロが不可欠な海外旅行の金額にも影響を与えた。売上は12月17日の週に減退が起きたが、今でははっきりとしたバランスに向かっている。なぜなら、早期予約の割引、また12ヶ月払いの特典が続いているのです。ここでも価格はバランスを保っている」と述べた。業界では短期間の為替ヘッジが行われたことを引き合いに出したペリンチオールCEOは「我々は早期予約が可能な期間を延長し、40%程度の値引き、12ヶ月の分割払いを提示することによって、為替レートにおける上昇の消極的な影響を緩和しています。しかしながら、ここで重要なのは安定と信頼を再び確かなものとすることです」と述べた。
・建設業界
「動揺が広がり、プロジェクトの開始も延期されている」
イスタンブル建築家協会(İNDER)会長でありテクニキ・ヤプ(TY)のオーナー、ナーズミ・ドゥルバカユム氏は、「上昇する為替が業界に動揺をもたらし始めた。不動産は安全地帯として考えられているため自身を証明しブランドとなった建設会社のプロジェクトで売りが続いている。小中規模の建設会社といえば力の限り耐えようとしている。停滞のネガティブな影響がある。始動が見込まれるプロジェクトを控えている間、これらのために新しい計画がつくられている」と述べた。
「2013年12月までにインフレーションと為替相場の日常的な値上がりと連動して行われなくてはならない地価の値上げは建設会社によって補填された。2013年をよりよく締めくくるために地価の値上げは行われず、利幅は減少した」と述べたドゥルバカユム氏は以下のように続けた:「引き伸ばされたこの値上げは2014年に8~10%の間で価格に反映されると思われていた。しかしながら特にドル為替が2TLを超え10%以上の利益を得たことはこの目論みを覆した。これ以後のプロセスにおいて新しい価格が少なくとも15%上昇して消費者に提示されることは免れなくなった。」
・小売業界
「レートが後退しなくても一般市民に影響を与える。」
トルコ商工会議所連合(TOBB)小売業会議議長メフメト・ナーネ氏は「レートの上昇はいつ影響を与え始めるのか?一般市民の家計に影響をもたらした時に…つまり物価が上昇して、ガソリン、天然ガス、電気料金が値上がりした時だ」と述べた。
これら全てが消費者に悪影響を与えると述べたナーネ氏は「いまだネガティブな影響は始まっていない。私たちも商品に反映させていない。為替がより適切な水準に戻ることを信じている。しかしこの状況は事態が短期間で解決されない状況においても一般市民にはそれぞれ影響を与えないのだ。なぜなら消費者も小売業者も政府も埋め合わせをするからだ。例えば政府は今現在、実際に補償をしている。これ以上不安に思うことはやめましょう。レートがより適正な水準になることを信じている。出来る限り需要を取り除くのではなく需要を得ましょう。経済は動き続けます」と話した。
メディア・マルクトのCEOであるビュレント・ギュルジャン氏は「トルコ経済はしばしばレートの上昇を危機として経験している。業界の会社も消費者も一時的なこの影響をすでに生活の一要素として見ている。生活の他の分野に影響を与えるのと同様に、業界にも影響を及ぼしているのだと思います」と話した。
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( 翻訳者:堀谷加佳留 )
( 記事ID:32650 )