【ガーセム・ガフーリー】シリア問題をめぐるジュネーブ2会議は本日開かれるが、そのような中で注目を集めている重要な問題の一つに、この会議への出席を呼びかけたイランへの招待状を撤回するという、バンキムン国連事務総長(というよりは、アメリカの人形劇の操り人形と言った方が良いが)の無責任な行動がある。アメリカはジュネーブ1で承認されたシリア及び地域に対するアメリカの支配〔の容認〕をイランに強要し、最終的にイランが地域の利害から手を引いて、すべてをアメリカに譲渡したかのように見せかけるべく、努力してきた。
アメリカのブッシュ風のやり口が示すのは、彼らがイラン国民の面目を失わせ、アメリカと同一歩調を取っていないがために、イランが地域で孤立しているかのように〔国際世論に〕印象づけようとしている、ということである。そうすることで、国内にメディア・政治上の分断を引き起こし、核問題や地域情勢でイランをゆすろうとしているのである。
アメリカの壮大な動き、そしてアメリカという主人に仕えるバンキムンのへつらいにもかかわらず、イランがアメリカの強欲さに対抗して、自らの原理原則を守り通しているために、状況は〔アメリカの思惑とは〕別の様相を呈している。
まず第一に、ジュネーブ2への参加条件として西洋が課した条件を受け入れないという原則をイランが守り通したことは、アメリカにノーを言える国として、再度イランの名を世界中に轟かせることになった。アメリカはイランの孤立化を目指していたにもかかわらず、である。政権交代によってイランの政策にも変化が生じているという西洋の主張が、嘘にまみれたまやかしの主張であること、そして第11期政権〔=ロウハーニー政権〕とイランの外交部が、これまでの政権と同様に、覇権体制に対抗するイラン国民の原理原則・理想から後退するつもりなどないということを、世界は再び理解した。
第二に、イランへの招待を撤回した〔バンキムンの〕行動に対する世界の反応は、注目に値する。アメリカとほんの一部の西洋・欧州諸国を除いて、世界の多くのメディアならびに政治関係者たちは、地域の政治力学におけるイランの地位とジュネーヴ2への同国の出席の必要性を強調しつつ、無責任かつ詐欺的な行動であるとしてアメリカと国連の行動を批判しているのである。世界の反応が示しているのは、西洋の主張とは反対に、イランは孤立などしておらず、むしろ世界の人々から忌み嫌われているのはアメリカだということである。イランはアメリカに対する抵抗の文化によって、世界的な地位を獲得することに成功したのである。
こうしたことに鑑みるならば、西洋メディアによるプロパガンダにもかかわらず、自らの原理原則を守り通し、アメリカの強欲に屈しなかったことで、イラン・イスラーム共和国は世界の前でアメリカの面目をつぶしたのだ、と言うことができるだろう。アメリカの面目をつぶすことが可能だったのも、覇権体制に対するイラン国民の抵抗の文化のお陰であり、これによってイランの世界における地位はさらに高まるはずだ。
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Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
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( 翻訳者:白糸台国際問題研究所 )
( 記事ID:32724 )