われわれは支払った代金に対して品物を受け取ったか?:核交渉への批判、国会で高まる
2014年01月22日付 Jam-e Jam 紙
イランと5+1グループとの間で核合意が結ばれ、20%ウラン濃縮活動が停止されたことに伴い、政府に批判的なメディアや国会議員らの間からは、交渉チームの意志決定に〔批判的な〕声が多数上がっている。
20%濃縮活動の停止の見返りに、対イラン制裁を緩和する内容の合意文書の全文が公開されていないことに対し、政府に批判的な人々からは、「西洋はお金を受け取ったが、イラン側はいまだ品物を受け取っていない」と揶揄する声も聞かれる。
こうした中、一部の国会議員は核交渉のプロセスを調査することを目的に、国会内に「合意文書監視専門委員会」を立ち上げ、外務大臣あるいは外務省次官らに対し、合意文書の内容について説明を求める動きを見せている。核合意はトルコマンチャーイ条約〔※〕のようだとする見方も、一部の議員から上がっている。
※訳注:第二次イラン・ロシア戦争終結のために1828年に結ばれた条約で、イランはこれにより現在のアルメニアに対する支配権を失い、またヨーロッパ諸国とその後結ばれる不平等条約の端緒ともなった。
国会の国家安全保障・外交政策委員会のスポークスマンは、核交渉チームの一員であるアッバース・アラーグチー外務次官の発言として、イランは20%濃縮活動の停止を除いて、核活動での後退を受け入れるような合意は断じて結んでおらず、イランのウラン濃縮の権利はいかなる国の意見にも左右されないと述べた。
政府に批判的な議員数名の合意文書が公表されていないことへの抗議に対しては、国家安全保障委員会に出席したアラーグチー氏は、合意をめぐる意志決定は国の上層部と意見をすり合わせた上で取られたものだと強調、さらに交渉にかかわったどの国も、合意文書〔の詳細〕を公表してはいないと弁明したという。
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これに対し、国会の国家安全保障・外交政策委員会の委員を務めるアフマド・バフシャーイェシー議員は、核交渉〔の詳細〕について議員たちが知らされていないことに議員たちは抗議の声を上げていると指摘した上で、次のように述べた。「国会議員らはザリーフ博士〔外相〕に信任票を投じた。しかし彼は国会を信頼しておらず、あたかも赤の他人のように、国会に接しており、交渉を秘密裏に進めている」。
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アルデスターン選出の同議員は今回の合意に対する議員らの批判について言及し、「まず第一にこの合意で良くないのは、国会議員の誰一人として、合意の詳細を知る者がいないということである。そのために、議員らは国内の情報源から情報を得る代わりに、アメリカやイスラエルの見解を得る必要性を感じている」と述べた。
同議員はその上で、こうした振る舞いは体制の決めたやり方ではないと強調し、「交渉チームは議員やメディアに対して消極的な対応しか取っていない〔‥‥〕」と付け加えた。
同議員は、ジュネーブ合意の過程に関する情報公開に対する議員らの政府批判は一部の議員によるものなのか、それとも多数の議員が批判の声を上げているのかとの質問に対し、「多くの議員が不満に思っている。これは政権に対するイエローカードと理解することが可能だ」と答えた。
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こうした中、国会原理派の会頭を務めるハッダードアーデル氏は、ジュネーブ合意に対する一部の議員らの発言に触れ、「核交渉の関する判断・評価は時期尚早だ」と強調した。
同氏は「結論を下すまで、もう少し時間を置くべきだ。相手側が自分たちの約束を守るのかどうかを見守る必要がある」と付け加えた。
同氏はまた、「私はアメリカが約束を守ることを楽観視してはいないが、しかし今回の合意はアメリカのイメージが変わるいい機会でもある」と指摘した。
同氏は国会議員らが交渉のプロセスや合意文書について監視を行っていることに触れ、「われわれは外務大臣や次官らを何度も国会に召致し、彼らから話を聞いた。こうした監視プロセスは今後も続く」と強調した。
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( 翻訳者:8410157 )
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