トルコ共和国中央銀行（TCMB）の強力な金利引き上げ後、外貨為替レートの落下が限定的であることが注目を引く一方で、専門家たちはトルコリラにおける安定化プロセスが始まったものの、これにはしばらく時間がかかることが見込まれると述べた。

週の初めの取引日で史上最高値の1ドル＝2.39リラまで高騰したドルは、トルコ共和国中央銀行が火曜日夕方、金融政策委員会（PPK）が中間会議を開く予定であることを発表した後、市場において金利引き上げが予想されたため、急落した。

金利引き上げ予想により2日のうちに記録した最高値に比べおよそ6％の価値を失ったドル/トルコリラは、金融政策委員会の予想をも超えた金利引き上げ決定の後、水曜日に海外市場において１ドル＝2.17リラ以下にまで後退したあと、再び上昇へと移った。

専門家たちは、昨日1ドル＝2.32リラ境界まで高騰したドルが自動的に新たな均衡値を探していること、また12月17日以降見られた急激な上昇の後、新たな金利によって数週間のうちに新しい域に達するであろうと述べた。トルコ共和国中央銀行は火曜日の0時に公表した決定によって、一週間物レポ金利を550ベーシスポイント引き上げて10%に高め、一方で、金利コリドーも8%から12%の間とした。

この強力な措置にも関わらず、為替レートにおける下落傾向が2日にわたり限定的であったこと、またトルコリラが価値を失い始めたことに関して専門家たちは、アメリカ合衆国の中央銀行にあたる連邦準備制度理事会が金融拡大を制限するプロセスを継続すること、また発展途上国の通貨における損失が南アフリカ中央銀行の金利引き上げを50ベーシスポイントをもって制限した後に加速したことが原因であると述べた。

■“来週以降、為替相場におけるこの変動性が減少すると考えている“

ING銀行外貨部長ブルチン・メティン氏は、トルコ共和国中央銀行の金利引き上げに対してドル高リラ安になった2つの理由を以下のように述べた。「まず、ドル/トルコリラにおいて長い間１ドル2.30－2.39リラ辺りで取引が行われていました。トルコ共和国中央銀行の利子決定の後、相場が後退し、物価が一週間前に比べ大きく下落したことを受け、企業側からのドル需要があったこと。次に、トルコ国外において、南アフリカ、またロシアの通貨がドルに対して非常に悪い動きを見せたことです。トルコはこれらの国々と高い相関性があるため、これらの国での通貨価値の下落が我々にも影響しているのです。ここでは特に、昨日の企業側のドル需要より前にその影響がありました。これほどまでに深刻な下落においてドルへの需要があるのは普通のことです。来週以降、為替レートにおいてこの変動性は減少するであろうと考えています。」さらに同氏は、昨日、市場においておよそ15億ドルの企業によるドル買いがあったこと、またトルコ共和国中央銀行が利子を上げなかった場合に為替レートにおいてより深刻な動きがみられる可能性があると述べ、「金利が引き上げられなければ、Fed（連邦準備制度理事会）が債券買い入れ規模を100億ドル縮小することと、国外での下落とによって、トルコリラ/ドルレートは容易に1ドル＝2.50リラ水準になっただろう。」と話した。

■“為替レートの数日以内の安定への期待は楽観的なアプローチ”

マルバシュ証券のウゼイル・ドアン調査部長によると、為替レートの上昇において国内の政治状況と発展途上国における全体的な動きが影響していることを認めるとともに、1ドル＝2.18リラから2.39リラまでの上昇においては、トルコ共和国中央銀行が金利を引き上げないであろうという予想と、予想されていたように、先週行われたPPKによる金利に関する限定的な措置が不十分なものであったことが影響しているという。また、1月27日、為替レートで始まった変動が加速しつつ継続していること、今朝1ドル＝2.32リラあたりであったレートが数時間以内に1ドル＝2.39リラにまで上がったことなどから、混乱の空気が漂い始めているという。さらにドアン氏は、為替市場がまるで売り手がいなく、買い手が互いに刺激し合っている様相を呈しいる中、トルコ共和国中央銀行の緊急会議が行われるという情報が入ったと話した。そして、予測するのは難しいが、中央銀行が会議を行うというその情報が入らなければ、その日為替レートが1ドル＝2.39リラをさらに上回るのを防ぐ状況にはなかった指摘し、以下のように述べた：

「さらに、昨日はほとんどすべての発展途上国の通貨への打撃も影響したと考えられ、為替レートが1ドル＝2.50リラ、さらにそれをも上回ることが予想できました。この時点でトルコ共和国中央銀行が緊急会合の発表をもって行った口頭での介入と、その後の衝撃的な金利決定をもってレートをドル＝2.16 リラあたりにまで引き下げたこと、そしてその後起きたショックの影響で、非常に深刻な上昇がおこったとしても、新たな制御不能のパニックが起こることは免れました。しかし、トルコ共和国中央銀行の金利引き上げに対して為替レートが数日以内に安定すると予想することは、とても楽観的なアプローチです。不安定といえる状況が起きる前に対策をとれば、すぐに治まるというような状況ではないのです。不安定になる前でも、為替レートで安定を維持するのは簡単なことではないでしょう。取引が順調にいく状況において、この不安定性は今後徐々に減っていくでしょう。そして不安定性が減っていくにつれて、レートの管理が簡単になるはずである。このため、我々はトルコ共和国中央銀行（TCMB）が下した最近の決定が適切であると考えるとともに、中央銀行が先日とった金利決定を批判するにはまだ早いし、中央銀行にさらに少し時間を認める必要があると考えている。またこれと共にこの金利決定が不十分だったとしても、グローバルな動きを考慮しつつ、必要があるなら、新たな金利引き上げの可能性を以前のように閉じてしまわないこと、金利を含め、方策において中央銀行の動きを制限しないことが必要であると考えています。」

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（ 翻訳者:桑迫静香 ）
（ 記事ID:32767 )