■新たな交渉ラウンドの失敗で、ナイル川水危機の複雑化が浮きぼり
【カイロ:アフマド・ムスターファー】
エジプト政府は昨日、「ナフダ・ダム(グランド・ルネサンス・ダム)」問題に関して、エチオピアとの交渉ラウンドが失敗したことを発表した。「ナフダ・ダム」は、エチオピア政府がその建設を計画する一方、エジプト政府はナイル川からの水の割り当てに対する影響を懸念していた。そしてこの事により、4年前から深刻化する危機の複雑さを浮きぼりにしている。
灌漑大臣は声明で、「エジプトとエチオピアの代表者間での交渉会談は終わった。懸案となっている問題の解決のためエジプト代表団が提案した全ての提案が、エチオピアの不当なまでの拒否にあったためである。このエチオピアの姿勢は、頑なと言ってよいほどであるとともに、エチオピア側が、件の問題に関して十分に関心を払ったり、真剣さを持って見ていないことを示すものである」と述べた。
この訪問は、エチオピア灌漑相のアリマヤフ・ティギヌからの交渉の完結を求める呼びかけに応じたものであったが、アディス・アベバから帰国した後、エジプト灌漑大臣ムハンマド・アブドゥル・ムトゥリブは、「ナイル川周辺国の共通の利益となるような 中庸的ないかなる解決も、エチオピア側が拒否した」ことを明らかにした。
更に会見では以下のように指摘した。すなわち、「ナフダ・ダム問題に対するエジプトの揺るぎない立場は根本的な二点に要約される。第一に、ナイル川における歴史的で確固たるエジプトの権利はひとつたりとも手放さないこと。第二に、発展計画や発電、そしてエチオピア人民の生活水準の向上における、同胞国であるエチオピアの願望の支持である。ただしそれは、エジプトに損害を与えたりエジプトの水に対する権利を侵害したりしない仕組みによってこれらの計画への願望は実現可能なのである」。
(後略)
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( 翻訳者:風間満 )
( 記事ID:32928 )