エルドアン首相とその息子の間で行われたとされ、「家にある金をゼロにする」といった会話を含む録音が明るみに出て以来、録音の内容などの「信ぴょう性」も議論の的となっている。
不正・収賄捜査が始まり、3大臣の子息を含む多数の逮捕者を出した12月17日に、レジェプ・タイイプ・エルドアン首相と息子ビラル・エルドアン氏の間で行われたとされる会話の録音が、昨日(2月24日)の夜、ソーシャルメディアを通じて国内ニュースに取り上げられたことが、反響を巻き起こしている。
エルドアン首相と息子ビラル・エルドアン氏の間で行われたとされる「家にある金をゼロにする」といった会話を含む録音が明るみに出て以来、この話題はソーシャルメディアのトップニュースになった。同時に録音の内容などの「信ぴょう性」も議論の的となっている。
録音が合成だという説の一つは、会話が行われた2013年12月17日のエルドアン首相の一日の予定と会話中の幾つかの発言が矛盾しているというものである。これによれば、首相は12月17日、コンヤでのメヴラーナ大祭式典に出席しており、多数のテレビ局から生中継された演説を行った。この式典演説と電話の会話は(時間的に)重複しており、この録音が合成であることを裏付けている。
録音にあるエルドアン首相と息子ビラル・エルドアン氏の会話は最初、朝8時2分に行われたとされる。首相はこの会話でコンヤに行くと言及している。
エルドアン父子間の2回目の会話は、11時17分に行われたとされる。その日報道陣に公表された情報によれば、エルドアン首相は12時55分コンヤに到着している。首相は同日13時49分にコンヤでのメヴラーナ大祭式典の演説を始め、この演説は14時25分に終了している。
同じ主張によれば、3回目の会話は15時39分に行われている。この会話はメヴラーナ大祭式典での首相の演説が終了してから1時間14分後に行われたとされている。
エルドアン首相が電話の会話において、その晩アンカラに泊まると述べていることが、「一日中コンヤにいること」から導き出されており、会話が合成であることが証拠として示されている。しかし、首相がその日の深夜にアンカラに戻ったという情報が同日ニュースポータルサイトに掲載されている。
録音が合成だということに関する他の説は、エルドアン首相がイスタンブルにいるビラル・エルドアン氏への「スメイイェ・エルドアン(首相の娘)がマスコミに出る」という発言が基になっている。ソーシャルメディアに同日、スメイイェ・エルドアン氏がメヴラーナ大祭式典に出席したことを示す次の写真が投稿された。
しかし、まもなくしてこの写真が2012年のものであることがわかった。また2013年に撮られた写真には前年度スメイイェ・エルドアン氏が座った席は空席だったということを示す写真と、この写真が掲載されたウェブサイトからの画像が広まった。
エルドアン首相の2013年12月17日における日程表は、首相官邸公式ウェブページで次のように公表されている:
12:30 総合開会式典出席(於 コンヤ広域市スポーツ・コンベンションセンター)
15:00 レバノンのナジーブ・ミーカーティー首相と会談(於 デデマン・ホテル)
16:00 イラクのウサマ・ヌジェイフィ国会議長と会談(於 デデマン・ホテル)
16:45 北イラク自治政府のネチルヴァン・バルザーニー首相の表敬を受ける(於 デデマン・ホテル)
17:30 イスラム協力機構のエクメレッディン・イフサンオール事務局長の表敬を受ける(於 デデマン・ホテル)
18:00 コンヤ県知事府主催の国際追悼式典の来賓レセプションに出席(於 デデマン・ホテル)
19:00 メヴラーナ没後738周年国際追悼式典に出席(於 コンヤ広域市メヴラーナ文化センター)
本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
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( 翻訳者:安井 悠 )
( 記事ID:33072 )