シャーヒン・アルパイ氏は、自分の投票先を明らかにするのみにとどまらず、読者たちにも共和人民党(CHP)への投票を呼びかけた。
ザマン紙のコラムニスト、シャーヒン・アルパイ氏は、2つの地方選挙で公正発展党(AKP)に投票したが、3月30日に行われる地方選挙ではCHPに投票すると明言した。
同氏はこれに関連して、多くの金銭スキャンダルに関与しているとされる首相がこれ以上この国を統治しないことが必要だと記し、読者にもCHPへの投票を呼びかけた。アルパイ氏のコラムのうち、関連する箇所は以下のとおり。
■CHPイスタンブル候補が正しい候補であるか否かはわからない
私はイスタンブルで暮らしている。直近2回の(総選挙ではないものの)地方選挙では、2つの投票箱でAKPに票を投じた。
早くから決めていた。今回はCHPに投票すると…。しかしながら、読者諸君がよくご存知のように、私はCHPを多く批判している。この党の顔ぶれの中には、権威主義的ケマリズムや、尊大な世俗主義や単一文化主義の支持者たち、軍の後見を切望する人々が、重要な位置を占めている。CHPのイスタンブル広域市長候補が正しい選択か否かはわからない。2期にわたって市長を務めたAKP所属のカーディル・トプバシュ市長は、私が目にして知っている限り、成功を収めた。彼に投票したことについて後悔はないと言える。エルドアン首相とその派閥が、あらゆる件に対してそうであるように、イスタンブルのことにも関与しなければ、トプバシュ市長はおそらくより成功を収めただろう。
■与党であり続けるために手を尽くしているからだ
さて、それではなぜ私はCHPに票を?私はこう考えるのだ。もしここが通常の民主主義であれば、大規模な収賄や不正の捜査で名前が上がり、その一部を自らも認めている告発に直面しているエルドアン氏は首相を解任されるべきだろう。しかしそうはなっていない。ついには使い古され飽きられた「ギュレン主義者の陰謀」という言い訳に逃げ、与党であり続けるために手を尽くしている。
■トルコはもはや彼に統治されるべきではない
しかしトルコはもはや「私の味方でない者は売国奴だ」と言って社会を分裂させ、対立させ、自身に関する不正の訴えの捜査を妨害するために法治国家を壊滅させ、トルコを混乱と専断的で支配的な1人による専制政治に導き、対外的にトルコの評判を傷つけるような首相によって統治されるべきではない。
■AKPは第1党となるだろう
たしかに、AKPはこの選挙で、エルドアン首相とその仲間の期待通り、第1党となるだろう。これは地方選挙だからだ。多くの場所でAKPの自治体が成功を収めていると考える者は少なくない。「収賄はいつもあった。この与党は少なくとも、社会福祉と全体の繁栄の増大によって、私たちの状況を改善させた。代替は見つけられない…」と考える人々もたくさんいるだろう。不正の規模をまだ把握できておらず、開かれている訴訟を「不正行為の自由」の侵害とみなす人々も数に入れるべきだ。
■裁判を恐れ党の捜査をし損ねることを望んでいる
しかし、エルドアン首相はもはや集められる票では大統領に選出されるには十分ではないと見ている。期待を大幅に引き下げたのだ。「第一党となれば、国民に我々の誠実さが認められたということになる…」と話し始めた。党規約を変更して4期目の首相の座につく準備をしている。というのも、党のコントロールを失うことになれば、裁判から逃れられないと考えているだろうから。
■AKPは自己改革の機会を見つけうる
この選挙でAKPが第1党となっても、得票が大幅に落ち込めば、ひとつの望みとしては、エルドアン首相とその仲間とともに進み続けることが党にとって大きな損害をもたらすことに、AKPの理性的な執行部と議員たちが気づくだろう。AKPは自己改革の機会を見つけるかもしれない。
■クルチダルオールCHP党首が法治国家のために起こした闘いは賞賛に値する
一方でクルチダルオール氏が法治国家のために起こした闘いは賞賛に値する。この闘いによって支持を増したCHPは、おそらく支配的なケマリズムや後見主義を取り除き、自由主義と多元的民主主義を断固として守るようになるだろう。党内の改革派グループは、この方向で僅かとはいえ希望を与えている。CHPが、私の住むベシクタシュ区においても私の故郷アイヴァルクにおいても、失敗に終わった市長を再び候補としていないことも、よい兆候だ。
■読者にCHPに投票するよう呼びかけている
結論として、この地方選挙はエルドアン政権にとっての信任投票となった。これらの状況から、そして上記の理由から、私は3月30日には票をAKPに対して最も強力なライバルであるCHPに投じるだろう。読者諸君にもCHPへの投票を呼びかけている。この選挙は、賄賂、不正、政治の恣意性、支配性に「止まれ」と言うための1つの機会だ。
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( 翻訳者:永山明子 )
( 記事ID:33179 )